2012 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットがよい聞き役になり能動的活動を促進する音楽作業療法システムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Founding a creative society via collaboration among humans and robots |
Project/Area Number |
24118709
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
野口 孝文 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (20141856)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ロボット / 作業療法 / 学習支援 / IntellgentPad |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ロボットとの協創による障がい者が自発的に活動することができる作業療法システムの開発について提案する.本研究は,ロボットと障がい者との対話に我々が開発しているブロック化され自由に結合可能な音楽部品(ブロック)を用い,ロボットと障がい者がブロックを並べたり対話したりといった協創作業を通して,障がい者の自発的な活動を促すシステムを構築する.基本的なシステムはこれまでの研究でできているが,利用実践から得られた情報を基にロボットにどのような役割を演じさせることで自発的活動を促進できるかを実現する必要がある.また,ロボットを連携させることに関して,複雑な設定を要するというシステムの操作性の問題も解決する必要がある.本研究ではこれらの問題を解決する. 音楽再生部の開発は,平成20年に開始していくつかのシステムを作り実際に利用した中から多くの改良を行ってきた.平成23年からはロボットを連携できるようにしたが,システムの設定が複雑なため,利用時には開発者が立ち会う必要があった. 本提案では,システムを誰でも容易に利用できるようにすることで,本システムの利用情報を多く得て,それを基に能動的活動を促す自然なロボットの介在方法を創出する. 本年度は,①ユーザ操作インタフェースとロボットの連携システムの開発,②ロボットの介在方法の開発,③作業療法システムの評価で,これらのうち主に前半部分を重点的に行う.具体的な実施項目は,以下の通りである.各項目は並行して作業を進めるが,それぞれ項目内の細目も可能なものは並行して進める.①および②において,できあがったモジュールは順次システムに組み込み③の利用評価を得る.その結果を受けてそれぞれの細目の改良を繰り返す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,障がい者がロボットとの協創により音楽を作ることを通して,自発的に活動することができる作業療法システムを開発し,平成23年からはロボットを連携できるようにしたが,システムの設定が複雑なため,利用時には開発者が立ち会う必要があった.また,ロボットをユーザの操作に応じて動作させるようプログラムしてきたが,あらかじめ用意したユーザモデルに従って適切に反応を返すということが難しいことが分かっている. 本研究では,ユーザ操作に対してロボットがタイミングよく反応を返すようにするシステムを構築することを目的にする.平成24年度は,確実なユーザ操作を取り込むために,我々が別の研究で開発してきた学習支援システムとの連携を試みた.また,ロボットの制御データの作成を容易にするためのシステムを作成し多様な状態に反応を返すことを試みた.しかし,ユーザがシステムを操作していないときにも適度に反応する必要がある.新たな課題として,ユーザがシステムを操作していなくても,システムを見ているのかやロボットを見ているといった状態も取り込みロボットに反応させる必要があると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,ユーザが直接システムを操作していないときの状態を感知するシステムを開発し,そのデータに基づいてロボットを動作させるシステムを構築する.システム開発には,IntelligentPadシステムを用い,ロボットの制御,ユーザの状態感知,制御シナリオ,学習支援システムをすべてモジュール化したシステムとして開発し,リハビリシステムに組み込むことを容易にする. 本年度は,以下を行う. ①ユーザの状態感知システムの開発とロボットの制御(研究代表者と連携研究者) ユーザの状態感知システムの開発,ロボット制御データの作成,ロボット制御データモジュールの作成,「利用者モデル」および「介助モデル」に対応するシナリオモジュールの作成,シナリオモジュールに従った総括システムモジュールの作成,モジュール間の通信プロトコルの設計,モジュールごとの制御回路の設計(連携研究者),ハードウエアシステム全体の一体化による操作性の向上 ②ロボットの介在方法の開発(研究代表者) 利用者からの要求および利用データの分析からデータ項目の設計,「利用者モデル」および「介助モデル」に対応するシナリオモジュールのためのデータ作成
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