2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工細胞内の代謝を制御する膜輸送系の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
24119511
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野澤 彰 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (30432800)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 人工細胞 / リポソーム / ミトコンドリアキャリア / 無細胞タンパク質合成系 |
Research Abstract |
本課題では、我々が開発してきた膜蛋白質合成技術を利用し、人工的に調製したリポソーム内部に構築した代謝経路に外部からエネルギー分子を輸送することでその代謝経路を駆動・制御するシステムの構築を試みた。具体的にはATP/AMP交換輸送活性を持つ出芽酵母の輸送体タンパク質Ant1pを用い、リポソームに内封したルシフェラーゼへATPを供給するシステムの構築を行った。まず、Ant1pがATPとAMPとの交換輸送活性を有することを確認した。次に、無細胞系でルシフェラーゼを合成し、ルシフェリン酸化活性を有することを確認した。次に、Ant1pを膜上に配置したリポソームに凍結融解と超音波処理によりAMP、ルシフェリン、Mg2+およびルシフェラーゼを内封した。このリポソームの外部にATPを添加すると、ルシフェラーゼのルシフェリン酸化反応による発光が検出された。このとき、Ant1pを持たないリポソームや、Ant1pを配置したリポソームにおいてもAnt1pの阻害剤であるPLPとMersalylを添加した場合は、外部からATPを加えてもルシフェラーゼによる発光は検出されなかった。また、ATPの添加により発光が観察されたAnt1pプロテオポソームにPLPとMersalylを添加すると速やかに発光の消失が観察された。以上の結果より、リポソーム膜上に輸送体蛋白質を配置することにより、リポソーム内部の酵素蛋白質の活性を外部から制御することに成功した。 本研究では、膜輸送体タンパク質Ant1pを無細胞系により機能を保持した状態で合成できることを確認した。また、このAnt1pを利用しリポソーム内の酵素活性制御系の構築に成功した。本研究成果は、将来的に人工細胞の作成につながる合成生物学の要素技術として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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