2012 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な行動選択を可能にする神経機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
24120504
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90396466)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新学術領域研究「推論と意思決定」の主要なテーマのうち、特にモデルベースの意思決定に関係したテーマとして、「柔軟な行動選択を可能にする神経機構」の解明を目的とする。平成24年度の当初計画では、(1)課題の訓練 順/逆反応課題(試行ごとに、手がかり刺激の点灯した方向に反応する、あるいは、手がかり刺激が点灯したのと逆の方向に反応する、のいずれかのルールに基づいて行動する課題)、および、go/no-go課題(手がかり刺激に基づいて、レバー押し反応を実行する、あるいは、抑制する課題)を動物に訓練する、(2)ニューロン活動の記録およびニューロンの標識、(3)標識されたニューロンの組織学的解析、を行うことを目標としていた。これまでに、動物(ラット)の訓練について、当初予定した2種の課題について、数か月で訓練が終了する体制を構築し、現在のところ、順次、ニューロン活動の記録とプラスミド注入による標識を行い、その組織学的標識を行っているところである。 特に、細胞の標識法については、プラスミドを電気穿孔法(エレクトロぽレーション)によって単一細胞内に注入し、蛍光タンパクの遺伝子を導入する手法を採用し、これを行動中の動物で、高い成功率で行うことに初めて成功した。蛍光タンパクの導入による標識は、長期間(少なくとも数カ月)持続するので、慢性記録実験と併用するのに優れた手法である。これらの成果については、論文として取りまとめ、国際誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の当初計画における3項目(「研究実績の概要」参照)の目標について達成し、現在、データの収集を行っているところである。研究計画は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで順調に研究が進捗しており、データ収集が進んでいる。今年度内に十分なデータが蓄積され、結果のとりまとめを行える見込みである。今後も引き続き精力的に研究を進めていく。
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