2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ捕食行動をモデルとした視覚認知と意思決定の神経メカニズムの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
24120521
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
武藤 彩 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教 (00525991)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 捕獲行動 / ゾウリムシ / カルシウムイメージング / 神経毒 / GAL4 / UAS |
Outline of Annual Research Achievements |
動物が物を見たときに脳内でそれがどのように認識されているのかを理解することは神経科学の重要な課題の一つである。本研究では、脳が透明で神経活動を蛍光センサーによってイメージングできるゼブラフィッシュの稚魚をモデル動物として用いて、餌となる小物体やゾウリムシなどの微生物がどのように脳内で認識され、捕獲行動に至るのかを明らかにすることを研究目的としている。そのためには、(1)ゼブラフィッシュ稚魚の捕獲行動を詳細に解析できる行動学記録測定システムを構築すること、(2)非常に感度よく神経活動を検出できる蛍光センサーを開発することの2つが特に重要である。 (1)に関しては、ビデオカメラを用いた画像記録と画像解析により小物体の捕獲時におけるゼブラフィッシュ稚魚の行動(位置の時間変化、眼球運動)を記載するシステムを構築した。 (2)に関しては、自然な条件下において視覚刺激に応答する神経細胞をイメージングする技術開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
神経機能イメージングに関しては、非常に高感度のカルシウム蛍光センサー(改良型GCaMP)の開発に成功し、さらにその遺伝子導入ゼブラフィッシュの系統を確立することができた。これを用いて視覚系の神経機能を自由に動ける状態のゼブラフィッシュ稚魚においてイメージングすることができ、捕獲行動に関与する部位特異的なカルシウムシグナルを検出することに成功した。これは既に論文発表され、世界的にも大きな反響を呼んだ。 行動学的な解析に関しても、記録測定および解析システムの自動化に取り組んでおり、効率の良い測定系が確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神経毒を脳の特定部域に発現させた稚魚を用いて、捕獲行動に与える影響を評価していく。脳の特定部域での発現のためには遺伝学的方法(GAL4-UASシステム)を用い、できるだけ多数のGAL4系統とUAS神経毒の系統とを掛け合わせ、脳の様々な部域に関して網羅的に解析を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)