2013 Fiscal Year Annual Research Report
確率脳内シミュレータとしての大脳皮質自発発火活動と学習の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
24120524
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺前 順之介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50384722)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳 / 大脳皮質 / 自発活動 / 揺らぎ / ノイズ / 対数正規分布 / 確率的情報処理 / 不均一性 |
Research Abstract |
大脳皮質神経回路ネットワークの確率的情報処理に関して,特に自発活動の起源と機能,さらにその基礎的性質と素の応用に関する理論研究を実施した.これまでの研究により,大脳皮質で観測される強いゆらぎを伴った自発活動が,大脳皮質局所回路内での興奮性神経細胞間での後シナプス電位(Excitatory postsynaptic potential, EPSP)の振幅分布の極端な不均一性によって説明できることを明らかにし,さらにその自発活動によって興奮性神経細胞間のスパイク発火確率が動的に調整されていることを明らかにしたが,本年度は,EPSP振幅不均一性の起源とその工学的応用の可能性,さらに高次の回路構造が自発活動に与える影響とその神経情報処理上の機能的意義に関して研究成果を得た.具体的にはまず,実験的に観測されるEPSP振幅の不均一性が興奮性神経細胞間のシナプス可塑性によって説明されうるかどうかを検討し,Hebb型の学習則と恒常性維持可塑性の組み合わせによって,神経細胞集団内での発火率の不均一性が生じ,その結果EPSP振幅の不均一性が維持される可能性がある事を明らかにした.さらに得られた不均一性を電子回路としての実装も検討し,簡単化したEPSP振幅分布の効果を検討し,neuromorphic engineeringへの展開の可能性も明らかにした.高次の回路構造に関しては,実験的に指摘されている高次構造と整合性を持つ単純な神経回路モデルを提案した.このモデルは回路内にクラスタ構造を持ち,そのクラスタ構造によって異なる発火率を持つ複数の自発発火状態が共存できることを明らかにした.これによりクラスタ構造を持つ神経回路ネットワークでは,自発的発火状態をワーキングメモリーの一種として利用できることを明らかにすることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)