2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質FSバスケット細胞から錐体細胞への抑制シナプス支配の機能的解析
Publicly Offered Research
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
24120718
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
窪田 芳之 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 准教授 (90192567)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / IPSP / シナプス / FS細胞 / 錐体細胞 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳新皮質には、基本的な単位である局所神経回路が多数存在し、それらの活動が基となって、高次脳機能が具現する事がこれまでの研究で明らかである。本研究では、その構成要素の中の抑制性シナプスの機能に関する解析を行う。 ペアレコーディング記録細胞のシナプス結合部位を、電顕を使って詳細に観察し、シナプス結合部分の面積を測定する。本研究期間中に、3つのペア記録実験に関してこの電子顕微鏡を使った解析を実施した。そのデータを元に、「Neuron」を使ったシミュレーション解析により、ペアレコーディング電気生理実験で得られたペア細胞の形態や、そのペアに関して測定したシナプス結合サイトの面積等の情報を正確に反映したそれぞれのペア細胞を神経細胞のシミュレーション解析ソフト「Neuron」に再現した。そして、算出したシナプス結合単位面積あたりのIPSCの値を各シナプスに当てはめて、錐体細胞の細胞体に認められるIPSCを解析した。この解析実験で細胞体から40ミクロン以上離れたシナプス結合のIPSCは、細胞体では観察されないか、もしくはノイズレベルでしか観察されない所見を得た。さらに、樹状突起に入力する抑制性シナプス結合が引き起こすIPSCは、長い距離は伝導しない事をシミュレーション解析により証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、シミュレーション解析を開始する事ができ、抑制性電流の伝導に関して面白い研究結果を出す事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ、最終的な解析までの全ての段階をクリアしたペア記録細胞は1ペアのみである。今後は、もう1ペアに関して、同様に、ペア電気記録実験、組織実験、電子顕微鏡による解析、それらを使ったシミュレーション解析を行い、本研究成果を確率させたい。
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Research Products
(9 results)