2013 Fiscal Year Annual Research Report
認知能力と学習についての進化モデルの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Replacement of Neanderthals by Homo sapiens: testing evolutionary models of learning |
Project/Area Number |
25101703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中丸 麻由子 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (70324332)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知能力 / 学習 / 個体群動態 / 文化 / 進化 |
Research Abstract |
認知能力として記憶に着目して基本的な数理モデルを提案し、累積的な文化にとって記憶は重要であるかどうかを検証した。この基本モデルでは、社会学習あるいは個体学習をした文化についての記憶を固定化する。そして、学習した文化を保持・想起する事で実際の場面で活用する事が出来るとした。文化レベルが高いほど、その文化によって生存率や繁殖率が改善されると仮定し、集団サイズと学習や記憶との関係について探った。 このとき、記憶を保持・想起するコストが高いのであれば、学習ー忘却の繰り返しであっても集団サイズは大きくなるであろう。そこで、保持・記憶コストに着目して議論をした。 すると、記憶ー忘却の繰り返しのほうが、学習内容を保持・想起するよりも集団サイズの増加がしやすい条件を示した。 しかし、文化レベルが累積的である時、つまりある文化を学ばないと高次な文化が学べないような状況では、学習した内容を敢えてコストをかけてまで保持・想起しない限りは、集団サイズが大きくならない事も示す事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
記憶に着目した認知能力と学習能力の進化に関するモデルの前段階として、個体群動態モデルを構築した。まだ学会発表に留まっており、原著論文は執筆していないため、多少遅れている。また、研究目的は進化動態を調べる事であるが、昨年度は進化動態のモデルは構築をしていなかった。昨年度は、個体群動態モデルに生活史の影響も加味したモデルも構築したが、詳細の解析は行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度作成した基本的なモデルを基にして次のように展開を行う。(1)進化モデル化をおこない、解析する。(2)進化モデルと昨年度の結果を比較しつつ、英文論文を執筆し、投稿する。(3)昨年度作成した生活史を入れたモデルの解析および進化モデル化。
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