2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化元素ブロック高分子の構築と無加湿プロトン伝導膜への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102505
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松井 淳 山形大学, 理学部, 准教授 (50361184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロトン伝導 / ハイブリッド材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はかご形シルセスキオキサンを基盤材料とし、これに両性イオン伝導部位を導入することで無加湿下においてもプロトン伝導性を示すハイブリッド材料を構築するものである。isobutyltrisilanol-POSSを出発原料として、これとtrichlorosilaneとを反応させることでかごの一つにSi-H基を導入した。続いてSi-Hとジエチレングリコールモノビニルエーテルとのヒドロシリル化反応よりフレキシブルな有機側鎖を導入した。最後に水酸基を1,1’-carbonyldiimidazoleで活性化させ、ヒスタミンと反応させることで末端に両性イオンであるイミダゾールが導入されたハイブリッド材料を合成した。合成したハイブリッド材料の5%重量減少温度は259度であり、目的とする200度までの耐熱性を示すことがわかった。また融点を156度に示す結晶性化合物であることがDSC測定より明らかとなった。続いて、合成したハイブリッド材料のキャスト膜をくし形電極上作製し、加湿下、無加湿下におけるプロトン伝導性についてインピーダンス測定により検討した。ハイブリッド薄膜はRH 98 %の加湿下でのインピーダンス測定の結果、温度を上げるごとに伝導度は増加し、60度において1.48×E-6 S/cmという伝導度が得られた。また活性化エネルギーは0.66 eVであった。一方、無加湿下におけるインピーダンス測定を行ったところ、融点までイオン伝導性を示さず融点以上の160度で9.0×E-9 S/cmの伝導度しか得られなかった。これより無加湿下においても高い伝導度を達成するためにはアモルファス構造を形成されることが重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
POSSを基盤として両性分子を導入することに成功したが、結晶性を示すため無加湿下における高い伝導性を達成することは出来なかった。分子設計を見直す必要があり、当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶性の高いハイブリッド材料では無加湿下において高い伝導度を達成することが困難であるため、今後はPOSSによりおおくのフレキシブル有機鎖を導入することで、構造が均一かつアモルファス性を示すハイブリッド材料を合成し、目的とするプロトン伝導を達成する。
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Research Products
(4 results)