2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークな表面機能化方法を用いた高屈折率有機・無機ハイブリッド光学材料の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川口 正剛 山形大学, 理工学研究科, 教授 (00204694)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機無機ハイブリッド / 光学材料 / 表面処理 / ジルコニア / 屈折率制御 / 封止剤 / ナノ微粒子 / 透明材料 |
Research Abstract |
本研究では,水中で分散安定している無機ナノ微粒子(ZrO2)を水と混ざらない疎水性の有機媒体中(例えばトルエン)に1次粒子径を保ったままの相移動とその場表面処理する方法について種々検討を行った。炭素数4以上のカルボン酸と少量のトルエン,および水およびトルエンの両方に溶解するアルコールを加えた溶液にZrO2水分散液を加えて均一系にした後,共沸によって水とメタノールを除去する方法を用いると凝集することなく透明なトルエン分散液が得られることを明らかとなった。表面処理したZrO2トルエンナノ分散液を真空乾燥させても,トルエン以外にも様々な有機溶媒やモノマーに室温下で自発的にナノ分散し,透明な溶液を与えることが分かった。 ビニルポリマーの代表例としてポリスチレン(PSt)やポリメチルメタクリレート(PMMA)を選択し、ハイブリッド化を試みた。モノマーと共重合できるメタクリレート基(MA)を適切量加えて表面処理を行ったZrO2微粒子を用いると,重合中相分離が抑制され,透明なハイブリッド材料が得られることが分かった。重合中,ZrO2微粒子同志の凝集を防ぐためにはある程度以上の架橋点(架橋密度)が重要であることが明らかとなった。 ZrO2をStに対して58 wt%,80 wt%と増加させてPStとのハイブリッド化を行ったところ,いずれも透明なバルク材料が得られた。ZrO2-PStハイブリッド材料の超薄切片のTEM観察を行ったところ,ZrO2微粒子同士の凝集は観察されず,1次粒子のままPSt連続相にナノ分散している様子が観察された。 ZrO2含有PStおよびPMMAハイブリッド材料の屈折率およびアッベ数を測定したところ,ZrO2の体積分率φZrO2とともに直線的に増加し、光学材料の屈折率制御が可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無機ナノ微粒子の新規な表面処理化方法を確立し、さらには各種ビニルポリマーとのハイブリッド化に対する根本的理念の確立をしており、概ね順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのハイブリッドの成果ZrO2を架橋点としたネットワーク構造が重要で、結果として熱硬化性樹脂の開発に関するものである。成型加工可能なハイブリッド熱可塑性樹脂の開発はさらに難しいと考えられる。今後は熱可塑性高分子材料、エポシキ系の逐次系高分子材料、高分子微粒子系のハイブリッド化についてさらに研究を推進する。
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