2013 Fiscal Year Annual Research Report
二官能性金属微粒子を元素ブロックとする高分子材料創製
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102511
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲木 信介 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (70456268)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 電解反応 / 表面修飾 / 微粒子 / 電解めっき / バイポーラ電極 / 二官能性粒子 / 導電性高分子 / 電解重合 |
Research Abstract |
本研究課題は導電性微粒子をバイポーラ電極化することで、位置選択的に微粒子表面での電解修飾を達成し、多官能性の微粒子(新しい元素ブロックの概念)を創出することを目的とした。 本年度は、導電性微粒子としてグラッシーカーボン粒子を選定し、バイポーラ電極化する条件最適化と、表面修飾反応の最適化を検討した。グラッシーカーボン粒子を1mM塩化金酸を含むアガロースゲル中に固定化し、駆動電極間に数十ボルト印加することで、微粒子(バイポーラ電極)の陰極面において金の電解析出を選択的に行うことに成功した。さらに、交流電源からの電圧印加により粒子の両極端において金を析出することにも成功し、微粒子の二官能性化を達成した。当初の計画では交流電解を想定してはいなかったが、予想外に効果的であり、非常に安定してバイポーラ電解を実現できる手法として確立するに至った。これにより、金の電析だけでなく、白金の還元析出、さらには3,4-エチレンジオキシチオフェンの電解酸化重合による微粒子表面修飾といった有機分子による位置選択的官能基化にも成功した。 バイポーラ電気化学の駆動原理から、望みの電気化学反応の標準電極電位を見積もることで、印加電圧を調整し、表面修飾密度や面積を自在に制御することができ、精密な二官能化も実現している。さらに、同様の原理により、微粒子の四官能性化にも成功しており、これら多官能性化微粒子をプラットフォームとしたさらなる機能化ならびに自己組織化による高次組織化への展開を次年度に予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は導体微粒子をバイポーラ電極化し、二官能的に表面修飾を施す手法の確立が最大の目標であり、これをクリアしている。特に、交流電圧の印加という発想は申請時点では描いておらず、精密に二官能性化できる手法開発は大きな収穫であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年に引き続き、様々な二官能性微粒子、局所的修飾微粒子を開発し、それらを新しい概念の元素ブロックとして提案する。そのために、官能基化部分を自己組織化する、あるいは別途ジョイント分子で選択的に集合させることで、元素ブロックの高分子化へと展開する。ありとあらゆる相互作用、共有結合を利用し、優れた材料特性の発現を目指す。
|
Research Products
(51 results)