2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジホスファクラウン誘導体の合成と高分子化学への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102520
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森崎 泰弘 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (60332730)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リン原子 / 光学活性 / クラウンエーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
ホスフィンの反転障壁はアミンよりもかなり大きく、ホスフィンのリン原子はアミンの窒素原子と異なり不斉中心になり得る。また、ホスフィンは非共有電子対を有し、各種遷移金属錯体に配位することが可能である。我々はこれまでに、このような特徴を有するリン原子に着目し、リン原子が不斉中心であるP-キラルビスホスフィンをビルディングブロックとして用いることで、主鎖骨格に不斉リン原子を有する光学活性オリゴマー、ポリマー、デンドリマーの合成を行ってきた。本年度は特に、P-キラルビスホスフィンをクラウンエーテル環骨格に組み込んだ光学活性ホスファクラウンの合成に注力し、その配位挙動を検討した。 本領域研究において確立した手法により、様々な環骨格・環サイズを有するホスファクラウンを合成した。この中で、ベンゾホスファクラウンに対してアルカリ金属との錯形成を試みたところ、一般的なベンゾクラウンとは異なるサイズ選択制を有することが分かった。例えば、18-ベンゾクラウン-6はカリウムイオンとの錯形成能がナトリウムイオンやリチウムイオンによりも大きいことが知られており、実際に我々も実験的にこれを確認した。一方、ジホスファ-18-ベンゾクラウン-6との錯形成では、ナトリウムイオンの捕捉能がカリウムイオンよりも大きく、その錯形成常数は一桁異なることが分かった。Jobプロットからはジホスファクラウンとアルカリ金属が1:1で錯形成していることが示唆されたため、アルカリ金属はクラウン環に包接されていると思われる。酸素とアルカリ金属との親和性がリン原子のそれと比較して格段に大きく、ジホスファ-18-ベンゾクラウン-6の4つの酸素原子で錯形成しようとするために、環サイズに依らない錯形成能を示したと考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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