2013 Fiscal Year Annual Research Report
環状シロキサン部位を有する液晶性半導体の合成と開環重合による元素ブロック高分子化
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
舟橋 正浩 香川大学, 工学部, 教授 (90262287)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液晶性半導体 / 液晶性高分子 / ネットワークポリマー / 環状シロキサン / 開環重合 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は側鎖末端に重合性の環状オリゴシロキサン部位を有する液晶性半導体を合成し、液晶相の構造を保持したまま重合し、ハイブリッド型の元素ブロック高分子薄膜を作製することにある。 今年度は、n-型有機半導体であるペリレンテトラカルボン酸ビスイミド、および、p-型有機半導体であるフタロシアニンニッケル錯体のアルキル側鎖末端に環状のヘプタメチルシクロテトラシロキサン部位を導入した新規液晶化合物の合成と薄膜化、および、重合を検討した。 ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体は室温でカラムナー相を示した。電子移動度は10-2 cm2/Vsを越えた。これらの化合物はピンコート法による薄膜作製が可能であり、電極基板を親水処理することにより、カラムが基板に対して垂直に配向した薄膜を作製できた。さらに、スピンコート膜をトリフルオロメタンスルホン酸蒸気にさらすことにより、開環重合が進行し、液晶相での分子凝集構造を保持したまま、薄膜を不溶化することができた。同様にフタロシアニンニッケル錯体も室温でカラムナー相を示し、スピンコート膜を同様に酸処理することにより、不溶性の重合薄膜を得ることができた。環状シロキサン部位を有する液晶分子のin situ重合は過去に例がなく、注目すべきである。さらに、イオン性部位とヘプタメチルシクロテトラシロキサン環を有する液晶性ペリレンテトラカルボン酸ビスイミドを合成し、この化合物が室温で液晶相を示し、ヘキサンなどの有機溶媒をゲル化することを見出した。イオン性部位が会合することによりファイバー状の構造が形成されていることを確認した。今後、重合薄膜の構造評価、キャリア移動度の評価、自己保持膜の作製、ゲルの物性評価を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
重合性液晶性半導体の合成、および、in-situ重合の成功に加えて、当初計画していなかったイオン性部位を有する液晶性半導体の合成に成功し、有機溶媒をゲル化することを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
側鎖末端に環状シロキサン部位を有する液晶性半導体の重合条件の最適化、重合薄膜の構造評価、物性評価を進めるとともに、イオン性部位を有する液晶性半導体の薄膜化と重合についての検討を行う。イオンと電子を両方輸送できる液晶性高分子混合伝導体薄膜の作成を検討する。また、イオン性部位を有する液晶材料の、ゲル化についての検討を進める。さらに、ゲル化の際に形成されるナノファイバーの構造評価と重合について検討を進める。
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Research Products
(14 results)