2013 Fiscal Year Annual Research Report
クラウンエーテルを有するπ共役系元素ブロックの構築と電子-イオン混合体の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
25102540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
磯田 恭佑 東京理科大学, 理学部, 助教 (20568620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イオン電子混合伝導体 / 超分子化学 / 有機合成化学 / 有機アニオンラジカル / 電子アクセプター |
Research Abstract |
今年度は、新規元素ブロックとなるクラウンエーテルと電子アクセプター分子からなるCE-TANCの合成ルートの確立を行った。TANC誘導体であるCE-TANCの合成に関しては、全ての段階で高収率での回収を行えている。現在のところ、CEは[15]crown-5 (n = 1)および[18]crown-6 (n = 2)を用いておりCH2Cl2またはCHCl3にCE-TANCを溶解し、hexaneを用いた気相拡散により単結晶の作製に成功している。また、2種のCE-TANCとNaPF6やKPF6などの金属塩をCH2Cl2またはCH3CNに溶解し、MeOHを用いた気相拡散により単結晶作製に成功している。電解結晶前の単結晶は1-2日で作製可能でサイズは1 mm以上の長さを有するため、伝導度測定における電極の端子付けが容易に行える。 CE-TANCは様々なアルカリ金属イオンをCE部位で包摂できることが確認された。Na+イオンのイオンサイズ(1.94 オングストローム)は、[15]crown-5(1.7 オングストローム)とほぼ同様であるためCE部位も大きな歪みがなく、分子全体として高い平面性を有することが確認されている。一方、K+イオンのイオンサイズ(2.66 オングストローム)が大きく完全に包摂ができないため、K+イオンおよびCE部位が平面のTANC骨格よりも大きく歪んだ構造をしていることが明らかとなっている。これらの金属イオンの配位構造が分子集合構造に大きく影響を与えるため、様々なサイズと価数の金属イオンからなる元素ブロックを構築することが期待される。現在は電解合成の条件検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は、新たな元素ブロックCE-TANCの開発が行えたため、順調に成果が出せている。 今後は電解合成の条件検討を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は主に、クラウンエーテル(CE)を有するTANC誘導体の合成および電解結晶合成を行う予定である。予め、予備実験により電解合成により単結晶を得ることに成功しているが、予想外の構造や特性を示すものが得られている。研究を進めていく上で、目的の物質が得られないことも考えられるが得られた結果は全て論文にすることで社会貢献がなせるように精進していく次第である。
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