2013 Fiscal Year Annual Research Report
KamLANDによる近傍超新星爆発の観測
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
25103501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石徹白 晃治 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (20634504)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 超新星爆発 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、「ベテルギウスなどの近傍超新星爆発時に十分な数のニュートリノイベントを検出する」、そして重力波や電磁波との観測と合わせて「超新星爆発のメカニズムを解明する」ことである。その目的達成のために、本研究は「データ取得系改良による1kton液体シンチレータ型ニュートリノ検出器(KamLAND)における近傍超新星爆発観測体制の確立」と「近傍超新星爆発時に他研究領域と連帯した物理解析」を目標としている。 本年度は、至近に迫っているベテルギウスの超新星爆発に一刻も早く対応するために、KamLANDの光電子増倍管の反応数を記録する最低限のデータ取得系改良を行う準備を行った。この改良はデジタル変換基板とトリガー基板上のField-Programmable Gate Array (FPGA)上に実装される。また、専用のコンピュータでメインのデータ取得と独立した読み出しを行う。実験室レベルでの動作実証を終えて、KamLANDに導入する準備を終えた。 また、KamLANDはSNEWS(超新星早期モニターシステム)に正式に参加して、全世界に他のニュートリノ検出器と協力して超新星アラームを配信する体制を構築した。さらに、KamLANDでは近傍赤色超巨星からのケイ素燃焼フェーズ起源の超新星前兆ニュートリノを検出できることを示すことに成功した。これは爆発前の超新星アラームという新しい可能性である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、KamLANDにおける近傍天体からの超新星ニュートリノ観測体制の構築を目指していた。ところが、近傍天体の前兆ニュートリノも検出可能性があることを明らかにすることができた。これは、超新星爆発前に超新星爆発を検出できることに対応する。このために当初の計画を超える、前兆ニュートリノによる爆発前の超新星アラームという新しい可能性を生み出した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続きKamLANDにおける近傍超新星爆発観測体制の構築を行う。年度最初に、前年度に準備を終えたシステムを実際にKamLANDに導入する。また、トリガーボードの改良により反跳陽子反応を波形込みで記録することができるようにする。さらに、新しい可能性である前兆ニュートリノによる爆発前の超新星アラームを開発することを計画する。
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Research Products
(5 results)