2013 Fiscal Year Annual Research Report
非ガウスノイズを取り入れた重力波データ解析方法の研究
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
25103504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 順一 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50212303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重力波 / データ解析 / 非ガウス性 / 尤度解析 / マッチトフィルター / 独立成分解析 / エッジワース展開 / ノイズ |
Research Abstract |
本年度はまず、一般的な非ガウス分布のノイズが存在する中で重力波信号を検出するためのマッチトフィルターを構築する研究を以下の手順で行った。まず、ガウス分布からのずれが小さい場合の漸近展開を与えるエッジワース展開を用い、高次相関が信号の検出可能性を与える尤度分布にどのような影響を与えるかを明らかにした。次に、非ガウス性が大きい場合に一点分布関数の非ガウス性と二点相関関数の影響を完全に取り入れることのできる、ガウシアンマッピング法を開発し、重力波検出の問題に応用可能な表式を得た。 次に、非ガウス分布に従う信号が複数ある場合に、信号の非ガウス性を利用して各信号を弁別する手段を与える独立成分解析を、重力波データ解析に応用する可能性を検討した。重力波信号もノイズも非ガウス分布に従うので、ノイズも一種の信号とみたてて、ノイズと信号を分離するのである。そして、この方法を使うことにより、信号・ノイズ比を向上させることができることを示した。 このほか、連携研究者によって中間ブラックホール周りを周回する小ブラックホールが放出する重力波データからダークマタープロファイルの情報を取り出す手法の研究がなされ、eLISAによる観測可能性が議論された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究成果を論文に執筆中で、完成間際になったところでBICEP2による原始重力波の発見という大ニュースが飛び込み、年度末はこれへの対応に追われたため、論文を年度中に完成させることができなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
低周波ノイズの周波数変調を独立成分解析に取り入れることが今後の課題となる。
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