2014 Fiscal Year Annual Research Report
強い重力場での修正重力理論の検証に向けた理論的研究
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
25103505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須山 輝明 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20456198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 修正重力理論 / ブラックホール |
Outline of Annual Research Achievements |
最近の重力波直接検出に象徴されるように、ブラックホール周り等の強い重力場中における重力理論の検証が現実的になってきている。この研究動機の背景のもと、修正重力理論におけるブラックホール時空の解析を行った。より具体的には、スカラー場が計量場から構成された曲率テンソルと微分相互作用を持つ理論において、まずはスカラー場が時間依存し、非自明な動径プロファイルを持った一連のブラックホール解の存在を確認した。そのブラックホール時空の重力的な励起、即ちブラックホールから放射される重力波の振る舞いを調べるため、奇パリティモードと呼ばれる重力場の励起モードに対して、摂動解析を行った。計量場の奇パリティモードを理論の作用に代入し、摂動量の二次作用を計算し、補助場を消去することでマスター変数に対する作用及び運動方程式の導出に成功した。その結果、ブラックホールの事象の地平面近傍では、マスター変数の運動エネルギー項の符号と、空間勾配項の符号が必ず逆になることが分かった。この結果は、重力波は地平面近傍では必ずゴースト的になることを示しており、ブラックホールそのものが不安定であることが結論された。この研究成果は、修正重力理論における非自明なブラックホール解は、理論的な考察から必ずしも現実的なものとはなり得ないことが判断できることを具体的な解を持って実証したという点で意義がある。また、修正重力理論においても、背景解としてのブラックホール時空は、現実的なものに限定すると、さほど一般相対論のものと違わないことを示しており、重力理論の検証のためには、より高次の効果を探らなければならないことを示唆している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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