2013 Fiscal Year Annual Research Report
RNA-ペプチド複合体による人工チャネルの進化工学的創製
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Molecular Robots equipped with sensors and intelligence |
Project/Area Number |
25104503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
根本 直人 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60509727)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リポソーム / ペプチド / 進化工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)RNA-ペプチド複合体のランダムライブラリからリポソームに貫通した後、物理化学的ゆらぎの存在下で自己組織化し、人工チャネルを形成する分子を取得する。2)そのための試験管内進化系の構築と得られてきた分子の物理化学的解析を行う。3)最終的に脂質2重膜の内外で情報をやりとりできる膜貫通型RNA-ペプチド複合体の進化工学的分子設計を目指すしている。本年度は現在取得してリポソーム結合ペプチドの結合様式を明らかにすることを目標に、共焦点顕微鏡を用いて1)リポソームを形成する脂質の違い 2)リポソームを形成する脂質中のコルステロールの存在比による違い 3)リポソームの曲率の違い 4)リポソーム結合ペプチドのN末端とC末端側の機能的役割、等を明らかにすべく実験を行った。その結果、このリポソーム結合ペプチドは、天然に存在してリポソームに結合するペプチドと異なり、コルステロールの比率が30%以上になってもリポソームに結合することを見出した。また、このリポソーム結合ペプチドは静電相互作用でリポソームに結合するだけではなく、そのN末端側の疎水領域がリポソームの脂質膜中にアンカーリングしているといることもわかった。このようなことは従来のペプチドでは見出されてはおらず、人工的な試験管内淘汰実験による結果と予想される。この結果から、RNA-ペプチド結合体による試験管内進化系の構築をする意義が明らかになった。また、以上の実験とは別に、温度感受性磁性体ゲルを用いた実験も行い、本学術領域の班員の方々と共同研究が進みつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでに取得されているリポソーム結合ペプチドの機能解析に予想以上に時間がかかった。今後、本来の目的向けて得られた知見を基に研究を加速して進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
FACSを用いたリポソーム選択のスクリーニング系をぜひとも確立する。 人工チャネル形成の際には、大量のペプチド合成が必要になると実施が困難になる可能性がある。そのため、進化工学的というよりタンパク工学、ペプチド工学的にデザインの検討を行うこととする。
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