2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境自律応答型転写系を備えた移動型分子ロボットの創出
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Molecular Robots equipped with sensors and intelligence |
Project/Area Number |
25104504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田隈 尚史 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (10339707)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 1分子計測(SMD) / 核酸 / 蛋白質 / 分子機械 / 分子モーター |
Research Abstract |
自律的に動作する分子ロボットを構築するために、DNAの2次元ナノ構造物(DNA-tile)上に多数の蛋白質分子を固定した"DNA-蛋白質ハイブリッドナノシステム"を構築し観察を行った。本年度は、T7-RNAポリメラーゼ(T7-RNA polymerase、以下RNAP)蛋白質をモデル蛋白質として用い、主に、機能モジュールとしての特質を明らかにする事に注力した。具体的には、DNA-tile上にRNAPと、(RNAPが転写する)遺伝子を集積化し(以下Gene-chip)、出来たGene-chipをゲル電気泳動法や原子力間顕微鏡(AFM)で確認した後、活性を溶液反応系で測定した。その結果、Gene-chipには自律的に動作する分子ロボット構築に都合の良い性質が備わっている事が明らかになった。1つ目は、合理設計性であり、DNA-tile上のRNAPと遺伝子の距離を制御する事で、転写活性を設計できる事が明らかになった。2つ目は、直交性であり、自身の内部遺伝子は高効率に転写する一方、溶液中を漂う外部遺伝子はあまり転写しないという性質が明らかになった。また、これらの性質を利用して、無細胞翻訳系PURE systemにおいて、2つの遺伝子の発現量を合理的に設計可能である事を示した。これらの結果は、従来は経験則的に反応設計が行われてきた転写活性を工学的なアプローチで反応設計が可能な事を示しており、生物化学反応の制御にDNA-蛋白質ハイブリッドナノシステムを用いる事の有用性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、自律的に動作する分子ロボットを構築を目的としている。初年度は、重要な基盤技術である機能モジュールの構築に成功し、活性測定から、DNA-蛋白質ハイブリッドナノシステムには、特徴的な性質を有している事が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
自律的に動作する分子ロボットを構築するために、作成したGene-chipを2つの方向性で発展させていく。1つは、自律性を付与させるために、Gene-chipに分子スイッチやセンサー(膜蛋白質)の組込を行う。他方は、Gene-chipを試験管内だけでなく、細胞内などの様々な環境への適用を試みる。いずれの方向性に関しても、ナノシステムの特徴である、ナノメートル精度での分子配置、という性質を生かし、蛋白質相互作用における分子間距離の影響の評価や、逆に距離制御による反応制御に注力する。
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Research Products
(5 results)