2014 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性ナノ材料による脂質二重膜構造変換とその医療応用
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Molecular Robots equipped with sensors and intelligence |
Project/Area Number |
25104514
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 達也 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点准教授 (90410737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ロッド状の金ナノ粒子である金ナノロッド(AuNR)は、生体に最も影響の少ない近赤外光を吸収し、高効率で発熱するナノ材料である。AuNRは他のナノ粒子と同様、その高い比表面積により凝集しやすい。特に生理的条件下では、容易に塩析する。本申請課題の目的、すなわちAuNRの光熱変換活性を利用する脂質二重膜構造の光制御、を実現するためには、まずAuNRを表面修飾し、分散安定化と脂質二重膜親和性付与を図る必要がある。申請者は、薬物送達キャリアとして、血清蛋白質である高比重リポ蛋白質(High-density lipoprotein, HDL)に注目し、様々な変異体を作製してきた。HDLはリン脂質二重膜と脂質結合蛋白質からなる。HDLにカチオン性ペプチドを融合した変異体は、オレイン酸で被覆したAuNRの表面に効率良く吸着し、約7 nmの比較的なめらかな有機層を形成した。このことから、AuNR表面は脂質二重膜(厚さ5 nm)で被覆されていると考えられた。この表面修飾AuNRを生細胞に作用させると、細胞毒性を示すことなく、細胞膜表面に効率良く吸着した。細胞膜表面のAuNRを透過型電子顕微鏡で観察すると、依然として有機層で被覆され、AuNR同士の凝集が抑制されていることが明らかになった。そしてこの細胞に近赤外レーザーを5秒間照射すると、細胞内への迅速なカルシウム流入が検出された。この流入は繰り返し光誘導することができた。この結果は、細胞膜表面に存在するAuNRの発熱によって、細胞膜に一過性のポアが形成されたことを示唆している。この手法の高い安全性は、HDL(変異体)の機能と相関している可能性がおり、今後の検討課題である。本手法は、新たな光誘導物質導入法になることが期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)