2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属・磁性量子井戸ヘテロ構造における表面プラズモンと磁気光学の融合
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Design through Computics: Complex Correlation and Non-equilibrium Dynamics |
Project/Area Number |
25104708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 裕章 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80397752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光物性 / 磁気光学 / 表面プラズモン / 量子井戸 / 酸化物半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面プラズモンを応用した光ナノデバイスは、従来の半導体技術を凌駕する光技術の創出が期待される。本研究では、ZnO系量子井戸内の励起子遷移と金属ナノ構造体の表面プラズモン間の相互作用を理解し、磁気光学応答の向上を目指した。最初に、ZnO系単一量子井戸と金属間の動的光応答を調査した。本研究から、光励起下で量子井戸内に生成される励起子が表面プラズモンへの光結合を示す結果を得た。特に、量子井戸内の発光(photoluminescence: PL)分光の時間分解計測に基づいて、量子井戸から表面プラズモンへのエネルギー移動が観測された。この現象は、量子井戸内の電子・正孔対の再結合過程が、金属表面上のプラズモン励起に強く影響されることを示唆する。 上記の研究成果を踏まえて、磁性量子井戸と表面プラズモン励起の相互作用を検討した。磁性量子井戸の磁性層として、Zn1-xCoxOを採用した。Zn1-xCoxO層の磁気光学効果はCo濃度に強く依存する。磁気円二色性(MCD)分光から、Co濃度は10%程度で大きなゼーマン分裂(高いg因子)を励起子遷移において示すことを見出し、測定温度10Kにおいて、20程度のg因子を示した。故に、Zn0.90Co0.10O及びMg0.10Zn0.90Oを量子井戸及び量子障壁層とした磁性量子井戸構造を形成し、同様に磁気円二色性及びその温度依存性を評価した。紫外域への表面プラズモン励起として、波長350 nmから400 nmにプラズモン共鳴ピークを示す白金(Pt)ナノドット構造体を採用した磁性量子井戸層内の磁気光学応答は、表面プラズモン励起によって僅かに向上することを見出した。今後、この研究成果に基づいて、磁気光学励起と表面プラズモン励起の光相互作用のダイナミクスの研究を展開していく。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)