2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代密度汎関数理論を用いた物質デザインシステムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Design through Computics: Complex Correlation and Non-equilibrium Dynamics |
Project/Area Number |
25104723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今村 穣 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (60454063)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 密度汎関数理論 |
Research Abstract |
本研究では、超効率的な物質デザインのため、次世代密度汎関数理論である(A)系依存密度汎関数理論(SDDFT)および(B)軌道フリー密度汎関数理論(OFDFT)を開発する。また、その手法を用いてスピントロニクス材料、ナノカーボン機能性材料などの応用計算を行う。 これまで、(A)の研究として複数の軌道エネルギーの直線性条件(LCOE)を満たすSDDFTの開発を行った。従来のSDDFTを発展させ、クーロン演算子を短距離・長距離領域のみならず中距離領域に分割することで、複数のLCOEを満たすSDDFTの構築に成功した。COおよびN2分子などの軌道エネルギーの振る舞いを検討したところ、従来の一つのLCOEだけを用いた場合と比べ、複数の軌道の振る舞いの改善に成功した。また、軌道エネルギーを用いて内殻軌道とHOMOのイオン化ポテンシャルを計算したところ、精度良く見積もることができた。今後、複数軌道のLCOEを満たすSDDFTを用いて、励起状態計算を検討する予定である。SDDFTを用いた励起状態計算では、特に、大規模系における電荷移動型励起やリドベルグ励起の記述の向上が期待される。 また、(B)のOFDFTに関しては、米国の専門家と研究打ち合わせを行い、OFDFTの問題点および今後の開発の方向性に関して議論を行った。OFDFTに軌道密度を導入することで原子・分子の殻構造をより適切に考慮できる一方、計算量が多くなることが指摘され、現在解決策を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、次世代密度汎関数理論である(A)SDDFTおよび(B)OFDFTの開発を行い、それを用いた応用計算を行う予定である。(A)は、励起状態計算へ向けて進捗があり、(B)は、専門の研究者と研究打ち合わせを行った。応用計算にはまた手付かずであり、今後本格的に取り組む。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、次世代密度汎関数理論の(A)SDDFTおよび(B)OFDFTの開発を進めている。今後はさらに応用計算が可能になるレベルにSDDFTおよびOFDFTを完成させる。また、それを用いたスピントロニクス材料、ナノカーボン機能性材料の応用計算を行う
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Research Products
(4 results)