2014 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的骨格転位を活用する結合活性化法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105704
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 達 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00333899)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触媒反応 / ヘテロ環 / 転位反応 / 効率的合成 / 環境調和型分子変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
π酸性金属触媒による骨格転位反応は、他の手法では調製困難な反応性中間体を温和な条件下効率的に発生させる手法として汎用されている。この準安定中間体に対して金属触媒が再度作用すれば、安定分子で見られない「隠された結合活性化素過程」が見いだされると期待できる。当研究室では、O-プロパルギルオキシムの触媒的2,3-転位反応により過渡的に生じるN-アレニルニトロン中間体が多様な反応性を示すことを見出してきた。今回我々はこの鍵中間体の新たな反応性の開拓と合成的有用性の実証を進めるとともに、新たな触媒的活性化法の適応と類縁基質の反応性探求を実施した。(1)電子豊富な芳香族置換基を持つO-プロパルギルオキシムと電子不足オレフィンとの銅触媒反応により、C-O、N-O、および2つのC-H結合の開裂を伴ってアミドジエン誘導体が高収率で生成することを見出した。この反応はN-アレニルニトロン中間体への2,3-転位後、オキシム由来置換基からの電子供与によりニトロンC=N結合が回転しオキサジリジン中間体を形成する。更にこの電子供与置換基が促進する1,2-水素移動によりN-アレニルアミド中間体が生じ、これより銅触媒によって生成物に異性化したと考えられる。(2)O-プロパルギルオキシムの類縁体であるN-プロパルギルオキシアミンの反応性を検討した結果、形式的2,3-転位反応が進行しα、β-不飽和ケトニトロンが高収率で生成することを見出した(式4)。反応機構解析により、本反応は銅触媒によるヒドロアミノ化反応と生じたイソキサゾリン中間体の熱的開環を経由することを明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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