2013 Fiscal Year Annual Research Report
多分子結合活性化による生物活性分子の合成研究
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 潤一郎 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00529026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多分子結合活性化反応 / 天然物合成 / 触媒反応 / C-H官能基化 / アルケニル化 / アリール化 / ニッケル触媒 / ルテニウム触媒 |
Research Abstract |
分子結合の活性化による炭素-炭素結合および炭素-ヘテロ原子結合の形成を狙う有機合成化学は官能基化を伴わず効率的であり、これまで分子結合形成を古典的な反応の組み合わせに頼ってきた、既存の分子合成戦略を一新する可能性を秘めている。 本研究では、多分子結合活性化反応、すなわち(不活性)C-H結合、C-O結合およびC-C結合を同時に活性化・官能基化できる新触媒・新反応を開発し、生物活性分子の超短工程合成の実現を目指した。主に医薬品や天然物等の生物活性化合物に標的を設定し、反応開発研究と合成研究が連動するダイナミックな研究を行った。 その結果、Rh触媒をもちいたピロールのβ位選択的な直接アリール化反応を開発し、多置換アリールピロール構造を有するlammellarin Iの短工程合成を達成した。本合成はピロールと芳香環の二つの分子内C-H結合を酸化的な反応によって繋げるという多分子結合活性化反応も利用している。 また、過去に開発した、Ni触媒を用いたC-H/C-O型カップリング反応、脱カルボニルC-Hカップリング反応の基質一般性の拡大を行いエノール誘導体とアルケニルエステルをアルケニル化剤とした、アゾール類の新規アルケニル化反応を見出した。この二つのアルケニル化反応はC-H結合とC-O結合およびC-C結合という多分子活性化反応を経由した全く新しい反応である。本反応を用いて、合成に多段階を要する天然物siphonazole Bの型式全合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていた生物活性化合物の合成を既に達成し、次なる標的化合物の合成に取り組んでいる。基本となる反応も開発済みであり、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の目的としていた脱エステル型C-Hカップリング反応を鍵とするGE2270Aの合成と、カルボニル化合物のα位のフェノール誘導体とのカップリング反応の開発及び生物活性化合物合成への応用を行う予定である。また、開発した反応を駆使してメディシナルケミストリーへの展開も行う。
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Research Products
(22 results)