2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体触媒の基質誤認識を利用する不活性炭化水素への酸素原子挿入反応触媒系の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荘司 長三 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (90379587)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シトクロムP450 / 酸化反応 / ヘム蛋白質 / ガス状アルカン / フェノール / ベンゼン / 過酸化水素 / 長鎖脂肪酸 |
Research Abstract |
長鎖脂肪酸水酸化酵素のシトクロムP450BM3に対して、それ自体は水酸化の対象とはならないが、本来の対象基質の長鎖脂肪酸に構造がよく似ているためにシトクロムP450BM3には見分けることができないパーフルオロアルキルカルボン酸をデコイ分子として反応系に添加することにより、長鎖脂肪酸以外のプロパンやブタンなどを水酸化することができる反応システムを報告した。本年度に進めた研究では、ベンゼンを高選択的にフェノールに変換することに成功するとともに、ガス状分子の圧力を5気圧に上げて反応を行うことで、プロパンとエタンの1級炭素を水酸化できることを示した。通常、ベンゼンの水酸化反応では、生成するフェノールの方がより酸化されやすいために、フェノールの過剰酸化によってタール状の副生成物を多く生成してしまうが、我々のシトクロムP450BM3とフッ素系のデコイ分子を利用する反応では、そのような副反応が全く進行しないことを明らかにした。これは、ベンゼンの水酸化反応により生じたフェノールが、活性中心が高疎水場であるためにただちにシトクロムP450BM3の活性中心から離脱するためであることも明らかとした。エタンの水酸化反応では、その酸化活性はまだ低いものの、野生型のシトクロムP450BM3によって、エタンを水酸化可能であることを示すことができた。また、単純な直鎖パーフルオロアルキルカルボン酸以外のデコイ分子を添加した場合にも、プロパンやベンゼンの水酸化反応が進行することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ベンゼンの高選択的水酸化やエタンガスなどの高難度水酸化反応の達成だけでなく、パーフルオロアルキルカルボン酸の誘導体を取り込んだシトクロムP450BM3の結晶構造解析に成功し、原子レベルでデコイ分子の取り込まれている状態を明らかにすることができた。結晶構造解析から今後のデコイ分子の設計に重要な知見が多く得られており、本申請課題の研究がさらに加速すると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
デコイ分子を内包したシトクロムP450BM3の結晶構造解析から得られる構造情報を基に、第二世代のデコイ分子の開発を進め、エタンを高効率に水酸化することが可能な反応系を構築する。また、CYP102A1(シトクロムP450BM3)と同じサブファミリーに属し、より高い活性を持つことで知られるCYP102A5を用いることで更なる活性の向上を目指す。ベンゼンの水酸化反応では、デコイ分子を最適化することにより毎分500回転で反応を行うことが可能なシステムの構築を目標として研究を進める。
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[Journal Article] Electronic Control of Discrimination between O2 and CO in Myoglobin Lacking the Distal Histidine Residue2013
Author(s)
R. Nishimura, T. Shibata, I. Ishigami, T. Ogura, H. Tai, S. Nagao, T. Matsuo, S Hirota, O. Shoji, Y. Watanabe, K. Imai, S. Neya, A. Suzuki, Y. Yamamoto
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Journal Title
Inorg. Chem.
Volume: 53
Pages: 1091-1099
DOI
Peer Reviewed
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