2014 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の静的構造効果と動的構造変化に基づく分子活性化の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105738
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松尾 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (50432521)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生物有機金属化学 / メタセシス / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
酵素・タンパク質の機能は、その高次構造の組み合わせによってアミノ酸側鎖の位置・配向が事前組織化された「構造静的効果」と、リガンド結合等の外部刺激によって構造の再配列を伴う「構造動的効果」によって発揮される。前年度までは、前者の構造効果に着目し、水溶性ホベイダグラブス錯体を用いたシステイン残基へのタンパク質化学修飾を検討し、化学修飾に最適の条件を見いだした。本年度は、大きな構造変化を示すタンパク質の表面システイン残基への合成分子の導入を行い、タンパク質がもつ2つの構造挙動効果に立脚した分子活性化の制御方法を検討した。アデニル酸キナーゼ表面のシステイン残基をチオアリル化し、オレフィン部位を有する金属錯体分子を、水溶性ホベイダグラブス錯体を用いてメタセシス反応による導入することを試みた。導入効率は、タンパク質表面の表面電荷、合成分子の疎水性度に大きく依存し、タンパク質表面電荷を中性もしくは弱い陽性にすることが導入効率を大きくさせる主要因であることが分かった。従来のタンパク質化学修飾はシステインなどの反応性の高いアミノ酸残基を直接修飾することで行われたため、それに対応する合成分子の末端官能基も、チオールによる求核攻撃を受けやすい官能基をもつことが必須であった。しかし、本研究で検討したようなメタセシスを介したタンパク質化学修飾は、合成分子の合成ルートの選択幅を多くすることにつながるため、合成分子による生体分子の反応制御に有用であると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)