2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジアリールヒドロボランの分子内芳香族C-Hボリル化による含ホウ素環状化合物の合成
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105740
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
河内 敦 法政大学, 生命科学部, 教授 (70260619)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 典型元素化学 / 合成化学 / 構造化学 / 有機ホウ素化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,水素原子とホウ素原子の相互作用が両原子間の距離によってどのように変化するのかを明らかにするために,新規ホウ素化合物を合成し,その構造解析をおこない,種々の反応を検討した。 ケイ素原子上に水素原子が結合したヒドロシリル基とホウ素原子とを炭素骨格で連結した。この連結部位を変えることで,水素原子とホウ素原子の原子間距離を変えることを検討した。ヒドロシリル基とホウ素原子とをメチレン鎖で連結した化合物1およびベンジル骨格で連結した化合物2を合成した。X線結晶構造解析およびDFT計算によりその構造を明らかにした。次に水素原子とホウ素原子との相互作用によって,ケイ素-水素結合が活性化されているかどうかを調べた。アルコールとの脱水素縮合を試みたところ,メチレン鎖を連結部位とする化合物1では,脱水素縮合は進行しなかった。一方,ベンジル骨格で連結した化合物2では,脱水素縮合が進行し,アルコキシシランが生成した。アルコールが嵩高いほど,脱水素縮合反応は遅くなることが明らかとなった。化合物1と化合物2の反応性の違いは,ホウ素原子上の空の2p軌道とケイ素-水素結合のσ軌道の重なりが有効に働くかどうかによるものと推測される。 以上のように,水素原子とホウ素原子との連結部位を変えることで原子間距離を変えることに成功し,それにともなって両原子間の相互作用の強さが変化することをアルコールとの脱水素縮合反応により明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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