2014 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素結合切断を経る極性官能基をもつアルキル基導入法の開発と不斉反応への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
25105746
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
垣内 史敏 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70252591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロジウム / カチオン性錯体 / 炭素-水素結合活性化 / アシルアルキル基 / アリールピリジン類 / ベンズアミド類 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの検討で、アルケニルエステルをアルケニル化剤として利用することにより、カルボキシラートの脱離を伴う炭素-水素結合のアルケニル化反応が進行することを見出している。本研究では、アルケニルエステルに変えて環状アルケニル炭酸エステルを用いることにより、炭素-水素結合切断を利用したこれまでに報告例がない形式でのalpha-アシルアルキル基の導入の開発を目指して検討を行った。 カチオン性ロジウム錯体を触媒に用い、環状アルケニル炭酸エステルと種々の芳香族化合物との反応により、炭素-水素結合切断を経る芳香環へのalpha-アシルアルキル基の導入を達成する新規触媒反応の開発を行った。基質として2-(o-トリル)ピリジンを用い、4-メチレン-1,3-ジオキサスピロ[4.4]ノナン-2-オンの反応を、[Cp*RhCl2]2とAgSbF6を触媒に用い、無溶媒条件下、80℃で48時間行ったところ、オルト位にalpha-アシルアルキル基が導入された生成物がGC収率88%で得られた。電子供与性置換基および電子求引性置換基をもつアリールピリジン類を用いた場合にも、対応するalpha-アリールケトンを良好な収率で与えた。他の含窒素ヘテロ環も配向基として利用することが可能であった。 また、本反応は芳香族アミドに対しても適用可能であった。芳香族アミドはアリールピリジン類に比べ反応性が高く、70℃、24時間でも良好な収率で生成物を与えた。アミド基の窒素上の置換基を変えて反応性を比較したところ、立体的に小さい置換基をもつベンズアミドの方が高い収率で生成物を与えた。 本研究により炭素-水素結合切断を利用し、多様な芳香族化合物の芳香環上にalpha-アシルアルキル基を位置選択的に導入できる新規炭素-炭素結合生成法の開発に成功した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)