2013 Fiscal Year Annual Research Report
元素活用型3d金属錯体水素発生光触媒の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107502
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80214401)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光水素発生 / 元素活用 / 3d金属錯体 / 量子ドット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、貴金属触媒や稀少金属材料、超高純度材料に代わる新しい物質系の探索の観点から、ユビキタス元素活用に基づく光水素発生系の構築を目指し、以下の2項目に焦点をあて研究を推進した。 1)レドックス活性分子/3d 金属錯体による光水素発生反応探索と高効率化. レドックス活性配位子であるフェニレンジアミン類のより有効な活用と触媒活性を明らかにするために、Fe2+に加えて、Mn2+, Ni2+, Co2+等、種々の3d金属イオンを用いて錯体を構築して光水素発生反応を検討した。その結果、いずれの金属イオンを用いた場合も類似の水素発生能を示すが、Mn2+とFe2+系のみがハイドロキノンの存在下で触媒活性を示すことを見出した。また、フェニレンジアミンを紫外光で直接励起することで光水素発生量が大幅に増大することを見出した。 2)量子ドットを光増感剤とする3d金属錯体光水素発生系の構築. 可視光による水の分解へのアプローチとして、量子ドット(CdSe)を光増感剤とする3d金属イオンによる可視光応答型光水素発生系を構築した。CdSe-4-メルカプト安息香酸/NiCl2/アスコルビン酸系において最も良好な水素発生反応が観測された(24時間緑色光照射:TON = 17900)。反応は、金属イオン(Ni2+, Fe2+等)のほかに、量子ドット保護剤であるチオラートの種類に大きく依存することが見出され、触媒活性種はチオラト-3d金属錯体であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年10月に本学術領域総括班から共同研究募集があり、本計画を拡大して新たに領域内共同研究を提案、開始することになった。それに伴い本研究の修正もあり共同研究先で調整予定の試料の準備に時間を要している。また、反応用光照射装置の補充も必要となり、実験が遅れることとなった。3月までには装置の整備が完了する予定であるので、4月以降に速やかに実験が継続できるように試薬等の物品費を26年度に繰り越をし、その効果があり、26年度の研究はおおむね順調に進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
領域会議でメソポーラス有機シリカの担持媒体としての有用性を知り、打ち合わせの結果、平成25年10月に本学術領域総括班から共同研究募集の際に、計画を拡大して新たに領域内共同研究を提案し開始することになった。
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Research Products
(36 results)