2013 Fiscal Year Annual Research Report
アリールホウ素置換遷移金属錯体による二酸化炭素の光還元反応
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50134838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アリールホウ素 / 二酸化炭素 / 光還元 / 人工光合成 |
Research Abstract |
① アリール置換基を有するルテニウム(II)錯体による二酸化炭素の一酸化炭素への光還元反応 アリールホウ素置換基を有するルテニウム(II)錯体およびその他の遷移金属錯体に基づく二酸化炭素の光還元反応を試みた。アリールホウ素置換基を有するルテニウム(II)錯体の場合、アセトニトリル/トリエタノールアミン存在下における光照射により二酸化炭素が一酸化炭素に還元されることを明らかにした。また、反応の高効率化を目指し、この光還元反応をマイクロチャンネルチップ中において試みた。その結果、マイクロチャンネル中においても二酸化炭素の一酸化炭素への光還元反応が進行することを確認することができた。しかしながら、発生した一酸化炭素がマイクロチャンネル中の圧力を上げるため、反応溶液の送液がスムーズに起こらないという問題があることが分かった。今後、マイクロチャンネルの構造を最適化することにより、問題を克服する。 ② 遷移金属錯体による二酸化炭素の蟻酸への光還元反応 アセトニトリルートリエタノールアミン溶液系におけるルテニウム(II)―レニウム(I)錯体光触媒を用いた二酸化炭素の光還元反応を試みたところ、光反応により蟻酸が生成することを確認した。平成26年度においては蟻酸の定量実験を行い、バルク中およびマイクロチャンネル中の光還元反応の効率を比較・検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アリールホウ素置換基を有するルテニウム(II)錯体による二酸化炭素の一酸化炭素への光還元反応をバルク中ならびにマイクロチャンネル中において確認する事ができ、本研究目的に照らし、一定の成果を得る事ができた。また、ルテニウム(II)―レニウム(I)錯体光触媒系においても二酸化炭素の蟻酸への光還元反応を確認できた。以上から、初年度の研究としては、おおむね順調に研究を進めることができたものと判断しているとともに、平成26年度の光反応の高効率化へ向けた準備を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
① アリールホウ素置換基を有するルテニウム(II)錯体による二酸化炭素の一酸化炭素への光還元反応 平成25年度に引き続き、本研究項目を検討する。反応の効率化を行うには、反応機構の解明が不可欠であるため、速度論的方法、閃光光分解法、電気化学法等を駆使して反応機構の解明を行う。また、マイクロチャンネルの構造(形状、チャンネルサイズ)や反応溶液の送液法を最適化することにより、マイクロチャンネル中における二酸化炭素の一酸化炭素への光還元反応を試みる。その上で、バルク中とマイクロチャンネル中の光還元効率を比較・検討し、本研究目的を達成する。 ② 遷移金属錯体による二酸化炭素の蟻酸への光還元反応 本系については、蟻酸の生成を確認しているものの、反応系の最適化に至っていないとともに、マイクロチャンネル中の実験は未だ行っていない。キャピラリー電気泳動法による蟻酸の定量法を確立するとともに、バルクおよびマイクロチャンネル中の光反応と蟻酸の定量分析を行う。蟻酸は反応溶液に熔解するため、マイクロチャンネル中の反応溶液の送液には支障が無いものと期待される。バルクおよびマイクロチャンネル中の光反応を行い、その光還元公立を比較・検討する。 以上の実験を通して、二酸化炭素の光還元反応の高効率化を行い、本研究の目的を達成する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Constrained-Induced Structural Deformation of Planarized Triphenylboranes in the Excited State.2014
Author(s)
T. Kushida, C. Camacho, A. Shuto, S. Irela, M. Muramatsu, T. Katayama, S. Ito, Y. Nagasawa, H. Miyasaka, E. Sakuda, N. Kitamura, Z. Zhou, A. Wakamiya, and S. Yamaguchi
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Journal Title
Chemical Sciences
Volume: 5
Pages: 1296-1304
DOI
Peer Reviewed
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