2014 Fiscal Year Annual Research Report
有機p/n接合体を基盤とした水素発生用光触媒デバイスの創成研究
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107505
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
阿部 敏之 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (20312481)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光触媒システム / 有機半導体 / p-n接合体 / 水素発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続いて、有機p/n接合体の適用に基づいた水素発生用光触媒システムの設計・開発に関する検討を行った。 ペリレン誘導体(PTCBI, n型半導体)とコバルトフタロシアニン(CoPc, p型半導体)からなる有機p/n接合体を適用した水素発生用光触媒システムについて、p/n接合体を構成する各層の厚さ、照射光量、電子ドナー(チオール)濃度の点で最適条件を調べた。 また、亜鉛フタロシアニン(ZnPc, p型半導体)/フラーレン(C60, n型半導体)系は無金属フタロシアニン(H2Pc, p型半導体)をp型層として用いた場合に比べて、白金助触媒存在下で水素発生に対してより活性な光カソードとなることを見いだした(論文投稿中)。前者の方がp/n界面における電位勾配が大きいことが確認されたことから、それに起因してキャリアの表面における定常濃度も高まったためと推定している。上記のZnPc/C60系光カソードと酸素発生用光アノードであるPTCBI/CoPc系と組み合わせて水の光電解システムを構成したところ、理論電圧(1.23 V)以下のバイアス印加条件下で化学量論的な水素・酸素が観察され、エネルギー効率は低いながらもバイアス電圧ゼロの条件で、いわゆる水の光触媒分解が起こることを見いだすこともできた。 さらに、ディスク成形したTiO2粉末を焼結・水素還元処理したものを加藤英樹博士(東北大多元研)よりご提供いただき、それを光アノード、上記のZnPc/C60(+Pt助触媒)系を光カソードとして用いて水の光分解を検討した。1.0 V以下のバイアス電圧を印加した条件で化学量論的な水の分解の進行を確認できた。特に0.25 Vの低バイアス条件で約0.1%のエネルギー変換効率で水の分解が進行した。一般に、TiO2を光アノードとして適用した場合、何らかのバイアスを印加しない限り、水の分解は進行しないと考えられているが、上記の系ではバイアスを一切印加しない条件でも水の光分解が起こった点が特筆される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)