2014 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ガラス導光型光化学反応器の開発研究
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107514
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宇佐美 久尚 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60242674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光触媒 / 光化学反応器 / 人工光合成 / マイクロチャネル反応器 / スケールアップ / 光二量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
光化学反応の効率は、基質や光触媒の本質的な反応活性に加えて、原料濃度と励起光量に強く依存する。しかし、濃厚条件下で反応器内の基質に十分な光量を同時に提供できる反応器は、マイクロチャネルのような狭い流路を持つ反応器に限定されていた。これをスケールアップして有機合成や太陽光による水素発生反応などに適用する方策としてマイクロチャネルを並置したナンバリングアップがあるが、流路の閉塞と高コスト等の課題がある。 本研究では、ガラスカラムに多孔質ガラス構造を充填・融着し、多孔質ガラスを介した導光路と、多孔質の間隙を並列流路とするマイクロチャネル構造を兼備した新規光化学反応器を開発した。この反応器では、多孔質ガラスを介して励起光が導光される一方、反応溶液はガラス多孔質体の間隙を流れるため、溶液の流路と励起光の光路が完全に分離され相互に干渉することがない。また、間隙は細部で相互に連結して数百もの平行するマイクロチャネルを形成し、一部が閉塞した場合にも容易に迂回路を経由して流路を確保できる。モデル反応としてイソホロンの光二量化反応を検討すると、1Mもの濃厚溶液でも効率的に光二量化反応が進行した。また、内壁に光触媒を担持した反応器では、水質汚染の基準物質の一つである4-クロロフェノールを効率よく分解できることが分かった。 さらにシンプルなマイクロチャネル反応器として、二重ガラス管の間隙を流路とする環状ガラス反応器を検討した。類似形状の既往反応器が報告されているが、数十μmスケールの間隙を調製する技術を開発することにより汎用のマイクロチャネル反応器を形成できる点に特徴がある。イソホロンの光二量化と4-クロロフェノールの光分解にも効果が確認され、多孔質反応器よりも小スケールながら汎用の有機合成や小型浄水器などへの応用も期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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