2013 Fiscal Year Annual Research Report
水素発生オリエンテッドエピ構造3C-SiCによる高効率水素発生光触媒の実現
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 正史 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 材料加工・処理 / 触媒・化学プロセス / 水素 / 半導体物性 |
Research Abstract |
本応募研究課題では、6H-SiC基板上p型3C-SiCの水素発生光触媒としての高いポテンシャルを引き出し、実用レベルのエネルギー変換効率を得ることを目的とする。当該年度においては、以下の研究を実施した。 水素発生オリエンテッドエピ構造:p型3C-SiCに高ドープ層を設けたエピ構造を作製することで、3C-SiCへのオーミック電極を容易に形成できることがわかった。しかしながら高ドープ層の導入による6H-SiC基板との界面再結合の抑制は確認できておらず、期待したようなエネルギー変換効率の向上に至っていないのが現状である。 電子拡散長の増大:p型SiC全般において炭素拡散による電子拡散長の増大は効果が見られなかった。しかしながら、水素雰囲気中熱処理によりp型4H-SiCの電子拡散長を増大できることが京都大学のグループにより報告された。従って、京都大学のグループに協力いただき、水素雰囲気中の熱処理を水素発生オリエンテッドエピ構造3C-SiCに適用している段階であり、その結果は次年度に確認する。 ダメージフリー凹凸表面:表面に光の波長程度の凹凸を形成すれば、光の実効反射率が低下し、より多くの太陽光を吸収できる。我々は6H-SiC基板上p型3C-SiCを化学エッチングをすることでダメージフリー凹凸表面を作り出した。しかしながら、ダメージフリー凹凸表面を有する試料においては、オーミック電極の作製が困難であったため、エネルギー変換効率の見積りには成功していない。 以上をまとめると、各研究項目で課題があり、エネルギー変換効率向上には至っていない。次年度にそれぞれの問題を解決し目標に到達する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた研究項目を実施してはいるものの、それぞれの項目において期待したような効果が十分得られておらず、エネルギー変換効率向上に至っていないのが現状である。それぞれの項目における問題点は明確なため、次年度に各項目における問題点を解決し、それらの項目で得られる効果を組み合わせたp型3C-SiCを実現し高いエネルギー変換効率を達成する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
エネルギー変換効率向上のためには、3C-SiCの電子拡散長増大のみならずオーミック電極の形成がキーポイントなることがわかってきた。従って、水素発生オリエンテッドエピ構造の研究項目で明らかとなった、高ドープ層への容易なオーミック電極形成を利用し、ダメージフリー凹凸表面構造の効果および、水素雰囲気中の熱処理による電子拡散長増大の効果を得る予定である。また、計画していたように表面助触媒の形成も次年度に予定しており、それらの効果を組み合わせてエネルギー変換効率を向上させ、目標を達成する。
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