2014 Fiscal Year Annual Research Report
光合成酸素発生中心の仕組みを組み込んだ複核ルテニウム錯体による水の酸化反応
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107524
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
和田 亨 立教大学, 理学部, 准教授 (30342637)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工光合成 / 錯体触媒 / 水の酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成酸素発生中心(Oxygen evolving center, OEC)では、水の酸化による酸素発生反応を触媒するマンガンクラスターに水素結合したチロシン残基が存在しており、電子とプロトンの伝達に重要な役割をしている。本研究では、すでに研究代表者らが開発している二核ルテニウム構造を有する水の酸化触媒に、チロシン残基を模倣した酸化還元活性な架橋配位子を導入することより、より高活性な水の酸化触媒系を構築することを目的とする。 酸化還元活性な架橋配位子として二つのターピリジンをアントラセノールでつないだ新規配位子、ビス(ターピリジル)アントラセノールの合成について検討した。1,8-ジクロロアントラキノンから4段階の反応を経て合成が可能であることを明らかにした。収率の向上にむけて検討を継続している。また、別途に新規架橋配位子ビス(ターピリジル)アントラキノン(btpyaq)を用いた二核ルテニウム錯体を合成した。このアントラキノン架橋錯体を触媒に用いると、対応するアントラセン架橋錯体を触媒に用いたときに比べ、水の酸化の反応速度が向上することが明らかとなった。この結果は、架橋部位のアントラキノンのカルボニル基が親水性基として働き、酸素分子と水分子の置換反応が促進されたためだと考えられる。また、電子供与性が非常に強い配位子であるジピリジルフェニル基を有する単核ルテニウム錯体を合成したところ、対応するターピリジン錯体と比較して720mVもの酸化還元電位の負電位シフトが観測された。穏やかな酸化剤である[Ru(bpy)3]3+ (bpy = ビピリジン)を用いて水の酸化反応を行ったところ酸素発生が確認された。これらの結果より触媒設計に於いて、電位を低下し反応速度を向上させるための要素を明らかにすることが出来た。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)