2013 Fiscal Year Annual Research Report
光合成細菌の生合成反応を利用した天然型光捕集超分子の機能化
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
25107525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐賀 佳央 近畿大学, 理工学部, 准教授 (60411576)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光合成 / クロロゾーム / 緑色光合成細菌 / バクテリオクロロフィル / 生合成 |
Research Abstract |
優れた光エネルギー捕集・伝達機能を有する天然型の光合成光捕集超分子の良さを生かしながら人工光合成に展開するためには、精密な色素集積構造を保持しつつ、光機能性や安定性の制御、新たな機能性付与を行う方法論が重要である。そこで本研究では、緑色光合成細菌の膜外集光アンテナ超分子・クロロゾームを主な研究対象とし、構成分子の生合成過程を利用して改変を行う方法論の開発を目的とした研究を推進している。また、クロロゾームのエネルギー受容部位へ合成分子を再構成することによる機能化法の開発を目指した研究も行っている。 平成25年度は、クロロゾームの光機能性部位を形成するバクテリオクロロフィルc分子の長鎖エステル鎖を色素生合成の最終段階の反応を利用して細胞内で改変した。末端にハロゲンを有する長鎖アルコールを添加して緑色硫黄光合成細菌を培養することで、長鎖エステル鎖末端にハロゲンを有する非天然型バクテリオクロロフィルcの生合成に成功した。これらの非天然型バクテリオクロロフィルcは細胞内でクロロゾーム型の色素集積構造を形成することが示された。また、クロロゾームのエネルギー受容部位であるベースプレート色素タンパク質を合成エネルギー受容体で置換することを目指し、複数の両親媒性バクテリオクロリン分子を天然バクテリオクロロフィルaを原料として作成し、ベースプレート除去クロロゾームへの再構成を試みた。 これらの研究成果は、査読付論文2報、学会発表8件で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では平成25年度は、・クロロゾームの光機能性部位を形成するバクテリオクロロフィル分子の生合成過程を利用した改変を計画しており、実際にそれらに関する研究をおおむね順調に推進し得られた成果を査読付論文2報、学会発表8件で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究を遂行状況がおおむね順調であることから、今後も当初の計画通りに研究を推進する予定である。すなわち、クロロゾームの構成分子をそれらの生合成を利用して改変することでクロロゾームを改変し、超分子構造と機能を調べるとともに、クロロゾームのエネルギー受容部位へ合成分子を再構成することによる機能化を行う。
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