2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子-無機分子融合超分子ヒドロゲルの機能開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
25107713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山中 正道 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10377715)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲル / 自己集合 / 水素結合 / 疎水性相互作用 / ウレア |
Research Abstract |
本研究では、有機分子の水溶液中での自己集合により形成する超分子ヒドロゲルの開発と、その機能開拓を行った。新規に合成した両親媒性のトリスウレア分子は、低分子ヒドロゲル化剤として優れた機能を発現し、水のみならず様々な水溶液をゲル化できることを明らかにした。例えば強酸性水溶液である8 M塩酸、強塩基性水溶液である7 M水酸化カリウム水溶液、高塩濃度水溶液である飽和食塩水などをゲル化した。さらには形成した超分子ヒドロゲルがチキソトロピー性を有し、撹拌の刺激により容易にゾルへと変化し、撹拌をやめ静置することでゲルが復元した。 この両親媒性のトリスウレア分子より調製した超分子ヒドロゲルを用い、未変性タンパク質の電気泳動法の開発を行った。タンパク質試料として、オブアルブミン、ベータガラクトシダーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、ヒストンなどを用い、電気泳動の実験手法の確立と、分離様式を調査した。酸性未変性タンパク質においては、電気泳動法を開発することに成功し、分子量よりも等電点に依存したタンパク質試料の分離を観測した。すなわち等電点の小さなタンパク質がより陽極側へと電気泳動され、等電点の大きなタンパク質が陰極側に留まる傾向が見られた。また、電気泳動後のタンパク質は、電気泳動後の超分子ヒドロゲルに緩衝液を加え、遠心分離するという極めて簡便な操作により回収することができ、回収後のタンパク質は変性することなく活性を保持していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展しており、我々が独自に開発した超分子ヒドロゲルによるタンパク質試料の電気泳動法を未変性タンパク質にまで拡張することが出来た。しかし、その分離能は、既存のポリアクリルアミドゲルと比較するとまだ不十分であり、電気泳動条件や基材の改良により分離能をさらに高める必要がある。また、現在電気泳動が達成されているのは、酸性未変性タンパク質に限定されており、塩基性未変性タンパク質においては、電気泳動が達成できていない。これらの問題点を解決することで、超分子ヒドロゲル電気泳動法が、バイオ関連分野における有益な新技術として貢献できるようになると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
超分子ヒドロゲルを用いた電気泳動法においては、高分子ゲルを用いた電気泳動と比較してゲルの価格、及び分離能において問題点を有する。したがって、より簡便に合成が可能な新規低分子ヒドロゲル化剤の開発を継続的に実施する。また、電気泳動の実験手法に関しても、より一般性の高い方法を確立するべく、継続して検討を行うこととする。
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Research Products
(14 results)