2013 Fiscal Year Annual Research Report
溶ける錯体フレームワークを用いた融合機能材料の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
25107716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀毛 悟史 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70552652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 配位高分子 / 固液相転移 / イオン伝導 / X線回折 |
Research Abstract |
融解挙動を示す配位高分子についての基礎物性の評価、および応用検討を行った。基礎物性の評価においては配位高分子の溶けた状態、およびそれらが過冷却になってガラス状態になった2つの状態において固体31PNMR、XAFS、中性子PDF解析、などを多角的に行うことにより、高温においては配位結合がほぼ完全に開裂している反面、ガラス状態では結晶相と同じように金属イオンー配位子の配位結合が連結した配位高分子状態になっていることがわかった。そして溶液状態においてスピンコート等の手法を用いることにより10マイクロメートルを切る均一な結晶膜の作成に成功し、それに付随したプロトン伝導特性の低抵抗値を実現した。 また一方で領域内における共同研究として、配位高分子を前駆体とした新たなカーボン材料の合成を行った。様々な結晶性配位高分子を800~1000℃で処理をすることにより、それらの結晶構造をある程度反映した多孔性カーボンが得られることがわかった。特にCa2+を有する配位高分子では非常に高い温度で炭化処理が可能であり、配位高分子がテンプレートとして働く新たなカーボン材料を得ることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
化合物の状態解析においては使用が限られているシンクロトロンにおける測定を定期的に利用できたため、当初予定していた液体状態およびガラス状態のサンプル構造情報を引き出せている。また当初メインでは予定していなかった配位高分子を前駆体としたカーボン材料の合成において既存の手法ではできなかった多孔性カーボン材料の合成に成功しており、この点においては当初の計画以上の進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果で融解する配位高分子においては様々な相における構造情報の把握ができたため、次はこれらが持つ多孔性、イオン伝導特性などの機能に目を向け、それらを活用できるような形状(すなわち膜化や他材料とのハイブリッド)の構築を行ってゆく。具体的には実用に資するプロトン伝導を有する自立膜、あるいは形状を自在に変えることのできるポーラス性固体の合成を行ってゆく。また配位高分子を前駆体としたカーボン材料においてはTEMなどの電子顕微鏡をより駆使し、材料内部の金属イオンの残留などを定量的に評価し、酸素還元などへの固体触媒への応用を探る。
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Research Products
(5 results)