2014 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンバイオミネラルに関わる新規タンパク質グラシンによる融合マテリアルの創成
Publicly Offered Research
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
25107722
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
清水 克彦 鳥取大学, 産学・地域連携推進機構, 准教授 (90326877)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオテクノロジー / 複合材料・物性 / 生体分子 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
海綿動物が形成するケイ素を含有するバイオミネラル(シリコンバイオミネラル)は,非晶質シリカを主成分とし微量の有機分子を含む無機―有機複合材料であり,環境への負荷が極めて小さい条件下で自己集合的に生産され,メートルオーダーに及ぶ構造,高い機械的強度と光学特性を特徴とする.微量に含まれる有機分子が材料の特性やその製法のカギを握ると着目されている.これまでに六放海綿類カイロウドウケツの骨格中に水溶性,分子量23kDa,ヒスチジンに富み,中性域で速やかにシリカを形成するタンパク質が含まれることを示してきた.また,部分アミノ酸配列情報をもとに得たこのタンパク質をコードするcDNAの配列から,このタンパク質は新規であり,グラシンと命名した. 本年度は,大腸菌を宿主として組換えグラシンを生産し,天然型との同等性を確認するとともに,融合マテリアル創出に向け,大量に発現系を確立することを目的とした.まず,グラシンcDNAを挿入した発現ベクターで形質転換した大腸菌を培養し,菌体を回収して組換えグラシンの発現を調べた.菌体溶解液をSDS-PAGEおよび坑グラシン抗体を用いたウェスタンブロット法により,組換えグラシンの発現を確認した.組換えグラシンに付加したHis-tagを利用してニッケルアフィニティ担体を用いて組換えグラシンを精製した.試験管内実験により天然型グラシンが示したシリカ形成効果が再現されることを確認することとした.グラシンcDNAの塩基配列を操作して大腸菌での発現に最適化したグラシン遺伝子においては,良好な発現が認められた.また,His-tagを付加せずともニッケルアフィニティ担体を用いて組換えグラシンを精製することが可能であった.今後は,改変体を作成するなど,さらに詳細な分子機構について検討を実施する予定である.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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