2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNA・ナノメタル自己組織化融合マテリアルの開発と機能開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
25107734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10213886)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA / 金ナノ粒子 / DNAオリガミ / ナノテクノロジー / プラズモン |
Research Abstract |
金などの金属は、ナノサイズになるとバルク状態とは著しく異なった性質を示す。さらに、金ナノ粒子 (AuNP) 等のナノ金属を規則的に配列・組織化することで、その光学的性質などを制御した新しい機能材料が創出できる。本研究では、DNAの自己組織化能を利用したナノ構造体とAuNP等のナノメタルとを融合し、新規な機能を発現するナノ材料を構築することを目指している。 DNAナノテクノロジーにおける構造構築手法として、DNAオリガミ法が注目されている。特に我々は、DNAオリガミ手法を用いて、動的に形状が変化するナノ構造体として、DNAペンチ(DNA pliers)の作成に成功した。これは標的分子との相互作用により、Cross, Anti-parallel, parallelという三形態の変化が誘起されるペンチ状DNAオリガミ構造体であり、我々はその形態変化の制御と原子間力顕微鏡(AFM)による検出を報告した。さらに本研究では、DNAペンチのレバー部分に複数個のAuNPを位置選択的な固定化を行った。このシステムでは、標的分子の認識によるDNAペンチの形態変化がAuNPの間隔変化を誘起し、分光学的に標的分子を検出するシステムになると期待される。 また我々は、中空の6面体構造を持つ DNAオリガミ構造体であるDNA Boxの作成にも成功している。DNA Boxは、Joint DNAを加えることにより、オープンモチーフ (OM) からクローズドモチーフ (CM) への構造変化を誘起できる。そこで、このDNA Boxをナノコンテナとして活用することを意図して、DNA Box の内部にAuNPを6個結合したDNA Boxを作成した。このシステムは、密集したAuNPによる高感度イメージングのためのナノデバイスとしての利用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DNAオリガミ構造体-AuNP結合体の作成において収率が期待したほど高くないことが明らかとなった。このため、DNAオリガミ構造体-AuNPとの結合形成反応を見直す必要があり、DNAオリガミ構造体の形態変化を利用した分子識別等の機能開拓にまで研究が進捗していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、DNAオリガミ構造体-AuNP結合体の作成手法の収率向上と手法の確立、およびDNAオリガミ構造体の形態変化の動的制御、さらに形態変化に適した強度を有する立体構造を持つDNAオリガミ構造体の設計について検討し、最終的な総括として、標的分子の高感度検出などの機能発現について研究を進める。
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Research Products
(20 results)