2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマによるゲノム応答生物学の確立と治療への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Plasma medical innovation |
Project/Area Number |
25108503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | OHラジカル / イオン化エネルギー / スピン捕捉法 |
Research Abstract |
低温・大気圧プラズマの医療応用には、相互作用の本質を決定する「プラズマで生成される活性な粒子と生体との反応」をプラズマ照射側と生体側の両立場で分子レベルから捉えて、プラズマの生体への影響を解明し、相互作用を定量的に評価することが不可欠である。 そこで、プラズマと細胞・生体との相互作用について、化学・分子・細胞の各水準で検討し、その定量的評価を行い、併せて治療応用を目指し、「プラズマによるゲノム応答生物学の確立と治療への展望」を目的として、以下の研究を実施した。 Arプラズマ照射条件について、発光スペクトル測定、酸素原子数の測定を行った。化学的指標として、水溶液中のOHラジカルをEPR-スピン捕捉法で調べ、同程度の細胞致死効果を指標にX線のそれと比較したところ、相対的に多い値を示した。OHラジカル以外では、H原子の生成を認めた。Kr, Ne, He等の希ガスの種類を変えたところ、イオン化エネルギーとOHラジカル量は反比例した。核酸塩基、L-アラニン、酢酸ナトリウム等で生じるラジカル種を調べたところ、OHラジカルとの反応で生じるラジカル種のみで、プラズマに特異的なラジカル種の生成はなかった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラズマ照射装置の作成、導入が9月となったが、その後の水溶液系の実験は概ね順調に行うことができた。また、名古屋大学との共同研究による発光スペクトルおよび酸素原子数の測定も順調に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内の活性酸素種について、複数の蛍光試薬を用いて調べ、放射線とそれを比較する。ヒトリンパ腫細胞株を代表に用いて、細胞死(特にアポトーシス)を指標に、細胞内シグナル伝達を探る。また、これに関連する、細胞の網羅的遺伝子発現の測定・解析を行う。遺伝子ネットワーク解析より、重要なハブ遺伝子を探索する。これについて、阻害剤やsiRNAを用いて、機能についても調べる。
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Research Products
(14 results)