2014 Fiscal Year Annual Research Report
高度歯科医療のための液相レーザープラズマ技術の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Plasma medical innovation |
Project/Area Number |
25108517
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大矢根 綾子 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (50356672)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / アパタイト / 骨伝導 / 過飽和溶液 / 表面処理 / パルスレーザー / 核形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ある種のリン酸カルシウムを歯科や整形外科用インプラントの表面に形成させると、骨伝導性を付与できる。体液類似のリン酸カルシウム過飽和溶液中で基材上にリン酸カルシウムを形成させる技術は、薬効成分との複合化にも有効な温和な表面改質技術として注目されているが、長時間を要する多段階の処理工程を必要とした。本研究は、過飽和溶液中に設置された材料基材の表面にパルスレーザー光を非集光照射することで、固・液・光の界面におけるプラズマ表面処理とリン酸カルシウム形成反応を単一工程内で迅速に進める技術(過飽和液相レーザープラズマ技術)を開発することを目的とした。 本年度は、昨年度検討したチタン金属、ポリエチレンテレフタレート、コバルト・クロム合金、焼結水酸アパタイトに加え、インプラント材料であるジルコニア、アルミナ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)についても検討を行った。その結果、レーザー光吸収性を有する高分子および金属材料については、レーザープラズマによる表面処理効果(表面ぬれ性の向上、表面粗さ増大、表面酸化)、ならびに局所加温効果(物質移動速度の増加、過飽和度の上昇)が、リン酸カルシウム形成に寄与していることを明らかにした。また、骨形成促進効果の期待される成分として、生体微量元素である亜鉛、ならびに生理活性タンパク質であるフィブロネクチンを過飽和溶液中に添加することで、これらの成分をリン酸カルシウムと共に基材上に固定化できることも明らかにした。一方、レーザー光吸収性に乏しいジルコニアやアルミナ基材には、本過飽和液相レーザープラズマ技術を適用できないことが判明し、技術改良のための予備検討を行った。 以上の成果により、国際会議IUMRS-ICA 2014においてAward for Encouragement of Researchを受賞したほか、1件の特許出願を行い、2報の査読付論文を発表した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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