2013 Fiscal Year Annual Research Report
真菌類ゲノムからの新規酵素遺伝子発見
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
25108708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 拓司 東京工業大学, 生命理工学研究科, 講師 (10437262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酵素 / 応用微生物 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
分子反応が報告されている生体内酵素反応は4000種類を超えているが、その三分の一は実際の酵素タンパク質のアミノ酸配列及びその遺伝子配列が報告されていない。ゲノム解析などの基礎になる遺伝子への機能アノテーションは既知の遺伝子配列に対する類似度を元に行われており、このような化学的知識に対する遺伝子配列情報の欠如は本来生体が持つ酵素機能の三分の一以上を取り逃がしていることなる。そこで、本研究では、真菌類ゲノムを用いてそれら遺伝子が未定義の酵素反応に対する遺伝子配列を明らかしていくことを目的としている。代表者らは先行研究において、微生物ゲノムを用い100種類以上の遺伝子未知酵素反応について対応する遺伝子を計算機的に予測し、2例については実験的にその酵素活性を実証している。 真核生物に関しては遺伝子未知の代謝反応が数多く報告されているにもかかわらず、遺伝子のゲノム上の位置関係とそれらの遺伝子機能類似性に相関ないために上記の手法を利用することができなかった。これまで真核生物種では原核生物のような遺伝子隣接関係と機能的な相関が確認されていなかったが、近年、真菌類における代謝経路では遺伝子クラスター(シンテニー)が確認された。本研究計画の目的はオーファン酵素の遺伝子配列を真菌ゲノムを利用して発見することである。 本研究でこれらの遺伝子が明らかになれば、これまで機能の存在すらわからなかった酵素反応機構を大規模な配列類似性検索で予測することが可能になり、昨今のデータ解析の時代において、非常に大きな前進になることは間違いない。本研究ではそこで開発した解析パイプラインを活用し、真菌類に用いるために改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築した遺伝子予測パイプラインはバクテリアと同じパラメーター設定だとランダムに予測したものとほとんど変化がない結果となった。現在、酵素反応特異的なドメイン情報及び、化合物の変換パターンを利用した予測手法を組み合わせた統合アノテーションツールの開発を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遺伝子距離のみならず遺伝子発現量などの他のパラメーターを加えて予測精度を上げていく予定である。
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