2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規トリテルペン配糖体生合成マシナリーの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
25108715
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関 光 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30392004)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 植物トリテルペノイド / 配糖体 / 生合成 / P450 / UGT / 組換え酵母 / 合成生物学 |
Research Abstract |
本研究では、1)植物トリテルペン配糖体の生合成/構造多様化の過程において重要な役割を果たしている糖転移酵素(UGT)を単離し、機能を解析することで「植物界におけるトリテルペン配糖体構造多様化の分子基盤を明らかにする」とともに、各種トリテルペノイドアグリコンをインビボ生産する組換え酵母において上記UGTを共発現することにより、「組換え酵母におけるトリテルペン配糖体のインビボ生産」の実行可能性を検証することを目的とする。 β-アミリン合成酵素とシトクロムP450モノオキシゲナーゼに加え、さらにUGT遺伝子を組み合わせて酵母に導入することにより、組換え酵母における植物トリテルペン「配糖体」のインビボ生産が可能かを検証した。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)は内在するエルゴステロール生合成経路の中間代謝産物として2,3-オキシドスクアレンを生産する。研究代表者らはタルウマゴヤシ由来のP450を導入することにより、酵母内在の2,3-オキシドスクアレンを基質として4-エピ-ヘデラゲニンを生産する組換え酵母を作出した(Fukushima et al., 2013)。一方、マメ科モデル植物であるタルウマゴヤシから、ヘデラゲニンのC-28位にグルコースを付加するUGTとしてUGT73F3が同定されていた。そこで、UGT73F3を上記の4-エピ-ヘデラゲニン生産酵母に導入し、酵母内在の糖供与体を利用してインビボでの配糖体化が可能かを検証した。組換え酵母培養液の溶媒抽出物をLC-MSを用いて分析した結果、4-エピ-ヘデラゲニンに1分子のグルコースが付加したと推定される化合物が検出された。以上の結果から、組換え酵母におけるインビボ(酵母内在の糖供与体を利用)でのトリテルペン「配糖体」の生成が可能であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度中に、マメ科カンゾウ、タルウマゴヤシ、ミヤコグサ、ダイズから複数の機能未知のUGTのcDNAを単離しインビトロ酵素活性試験を行なった結果、数種のUGTがトリテルペノイドアグリコンへの糖転移活性を有することを確認した。さらに、OSC、P450、UGTを組み合わせて導入した組換え酵母内において、酵母内在のUDP-グルコースを利用してインビボでのトリテルペン配糖体の生産が可能であることを示した。より具体的には、 ミヤコグサ由来のβ-アミリン合成酵素、タルウマゴヤシ由来のP450(CYP93E2およびCYP716A12)を導入することにより、酵母内在の2,3-オキシドスクアレンを基質として4-エピ-ヘデラゲニンを生産する組換え酵母を作出し、さらに、UGT73F3を導入することにより4-エピ-ヘデラゲニンのモノグルコシドを生成することに成功した。これにより、酵母内在の糖供与体を利用して、組換え酵母におけるインビボでのトリテルペン「配糖体」の生成が可能であることを示唆した。
|
Strategy for Future Research Activity |
酵母に導入する各種オキシドスクアレン環化酵素(OSC、トリテルペン骨格形成酵素)、シトクロムP450酸化酵素(P450、トリテルペン骨格の酸化修飾酵素)およびUGTの組合せの数を増やし、生成するトリテルペン配糖体の構造多様化を目指す。また、UGTの糖供与体選択性決定に重要と推定されるアミノ酸残基への部位特異的変異を導入した機能改変UGT分子の設計を試みる。同時に、本来は酵母が生産しない植物由来の各種糖ヌクレオチドを生産するための酵素遺伝子を単離し、酵母に導入することにより、トリテルペノイドアグリコンに結合する糖のバリエーションの増加にもトライする。
|
-
-
-
-
-
[Presentation] Combinatorial biosynthesis of plant triterpenoids in engineered yeast.2014
Author(s)
Fukushima, E.O., Seki, H., Sawai, S., Suzuki, M., Ohyama, K., Saito, K. and Muranaka, T
Organizer
第55回日本植物生理学会大会
Place of Presentation
富山大学
Year and Date
20140318-20140320
-
-
-
-
-