2013 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌バーコード欠失株による化合物-遺伝子相互作用Multiplex解析
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
25108716
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90182203)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 大腸菌 / 分子バーコード / 一遺伝子欠失株 / deep sequence / 低コピー可動型発現プラスミド / population変動 / multiplex解析 / ケミカルジェノミクス |
Research Abstract |
大腸菌を活用し、化学物質と遺伝子産物との相互作用を目的に20塩基の分子バーコードを導入した一遺伝子欠失株ライブラリーの構築を行い、候補株から評価済みのクローンの選定、並べ替え、グリセロールストック作製を経て、利用可能な状況にした。現在、我々の所では、全ての欠失株を個々に一晩培養した培養液を等量混和した物を作製した。この混和培養液を用い、化合物等の生育への影響をdeep sequenceing法で解析を可能にする系の確立を試みた。最初の解析として、薬剤等を入れずに、栄養培地であるLBだけで長期間培養し、混合培養液中の各欠失株のpopulation変動をdeep sequencingで解析を行った。その結果、大腸菌全遺伝子約4,000の必須遺伝子を除く3,500遺伝子の欠失株において、培養中のpopulation変動の確認を行う事ができた。 さらに接合により移動可能な低コピープラスミドクローンライブラリーの構築を行った。上述の、それぞれの遺伝子欠失を相補する形で、新規に作製したプラスミドクローンを持たせる事により、遺伝子欠失及びプラスミドクローンからの発現誘導による細胞増殖への影響を分子バーコードで解析を可能にした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、一遺伝子バーコード欠失株ライブラリーの整備は終了し、各遺伝子個別での解析と共に、全遺伝子欠失株のプールで混合培養駅での解析を可能にした。deep sequencingを用いた予備実験でも良好な結果を得る事ができ、培養条件による、各遺伝子欠失株のpopulation変動の定量解析を可能にした。 予定以上に進展した事は、全遺伝子を接合可動型低コピー発現誘導プラスミドにクローン化を終了した点にある。該当クローンを該当遺伝子のバーコード欠失株導入に導入することで、各遺伝子の発現誘導による増産での影響も、同様にバーコードで解析を可能にした。現在、導入した各クローンの確認作業と並べ替え作業、該当遺伝子のバーコード欠失株への接合での移動を進めている。完成後は、各遺伝子産物の増産によるバーコード解析も着手する。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、まず構築したプラスミドクローンライブラリーの各クローンをそれぞれの遺伝子欠失株に相補するように導入する。このリソースを整えることにより、各生育条件における各遺伝子の欠失及び発現誘導による生育への影響を、 population変動で定量的に解析することを可能にする。このツールを用いて、抗生物質等、薬剤と各遺伝子との相互作用解析を、deep sequencingによる定量的な解析を試みる。また、これまで開発を行った低コピー可動プラスミドは、Fプラスミドの移動起点(oriT)を持つ。これは、大腸菌間では非常に効率良くプラスミドの移動を可能にするが、incPプラスミドのRP4由来のoriTを利用することで、大腸菌-放線菌間など種を超えた接合による移動を可能にする。接合は通常の形質転換とは違い、巨大DNAの移動を可能にする。すでにこれまでのベクターにRP4由来のoriTを導入したプラスミドを構築できており、連携研究として、応用へ向けた拡張を図る。 この2種類のライブラリーを用い、各欠失株及び相補株の混合培養液を作製し、化学物質や薬剤を含む培地での生育を、培養液中のバーコードをシーケンサーで大量に読む事で、薬剤と遺伝子欠失及び遺伝子増産による相互作用ネットワークの解析を行う。
|
Research Products
(7 results)