2013 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価ケイ素化学種を利用する新しいオレフィン化反応の開発と反応機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109521
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安藤 香織 岐阜大学, 工学部, 教授 (70211018)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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Keywords | α,β-不飽和スルホン / シス選択的 / Peterson反応 / アルデヒド |
Outline of Annual Research Achievements |
α,β-不飽和スルホンは有機合成化学上有用な化合物であり、その立体選択的な合成法の確立が望まれているが、一般性のあるシス体の合成法は確立されていない。我々はケイ素元素の特徴を利用するPeterson反応による合成を計画した。しかし、通常のPeterson試薬ではオレフィンの立体選択性はほとんど得られないので、ケイ素原子上にアルコキシ基を導入することでキレーションにより立体選択性を制御する計画をたて、Ph2(tBuO)Si基をもつスルホン試薬を合成した。種々のアルデヒドとの反応をLi塩基を用いて行った所、ベンズアルデヒドおよびα位が2級のアルデヒドでは90:10~95:5のシス選択性でα,β-不飽和スルホンが得られることが分かった。α位が1級、3級では2:1~4:1程度のシス選択性であった。この選択性を改善するためにキレーション能力をさらに高める試みとしてケイ素上にアルコキシアルキルオキシ基を導入した試薬の開発を行った。種々のアルデヒドとの反応を行った所、シス選択性を改善することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シス選択的なα,β-不飽和スルホンの立体選択的な合成試薬の開発に成功している。今後はより高い選択性と収率を与える条件の検討などが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
最適なケイ素置換基を探し、高いシス選択性、反応収率を与える反応条件の確立を目指す。また、試薬は作りやすくなくては利用価値が低下するため、実用性についても考える必要がある。
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