2013 Fiscal Year Annual Research Report
感応性分子集合体の機能創出
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
灰野 岳晴 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80253053)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己集合 / 刺激応答性 / 円偏光発光 / らせん / 白色発光 |
Research Abstract |
本領域は物質機能発現の要である高エネルギー化学種「感応性化学種」を合理的に創製し,感応性に由来する多様な物質機能を生み出すことを目的の一つとしている。非共有結合により配列制御された超分子集合体は,外部刺激に応答する「感応性化学種」である。外部の諸条件の変化(熱や溶媒,pHなど)により集合状態は容易に分解し,初状態へと変化する。一方で,高度に組織化された超分子集合体は機能発現の有効なプラットフォームとなるため,多様な構造体が開発されてきた。中でも,分子集積により発現するらせん構造は,高次のキラル環境を提供することから近年注目されている。 我々はトリス(フェニルイソオキサゾリル)ベンゼンが分子間双極子―双極子相互作用によりらせん型平面積層集積体を形成することを明らかにし,側鎖Rのキラリティーを反転させることで,らせん構造の右巻きと左巻きを自在に制御することに成功している。今回はこのらせんプラットホームに白金を導入することで,非常に強い円偏光白光を発する集合体を開発することに成功した。また,円偏光発光は分子の集合状態に固有のもので有り,集合体を外部刺激により分解させることで円偏光発光は自在に制御できた。 また,白色発光グラフェンの合成にも成功した。発光性グラフェンは炭素表面の分子認識を利用したセンサーとしての利用や,刺激応答性発光材料としての可能性についても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の申請課題である感応性分子集合体の合成に成功した。また,集合構造の可逆的制御に成功し,円偏光発光の制御に成功している。また,白金由来の円偏光発光は白金の燐光由来の円偏光としてはこれまでの報告の中では最も強いものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,拡張型白金錯体の合成とそれらのらせん集合を基盤とした円偏光発光材料を開発することを計画している。また,金属集合体より生成する発光性ゲルの開発も行う。また,光機能性触媒の開発も手がける。
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