2013 Fiscal Year Annual Research Report
複素五員環を連結させた分子コイルの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西長 亨 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30281108)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機導体 / らせん構造 / オリゴマー |
Research Abstract |
チオフェン環のβ位にCH3-, CH3O-, CH3S-基を導入したジチエニルピロールを合成し、ラジカルカチオン種の安定性及びπダイマー形成能に対する置換基の効果を検討した。吸収スペクトルの経時変化及び温度変化の結果から、CH3O-基を導入した誘導体が最も安定であり、高いπダイマー形成能をもつことがわかった。また一電子酸化に伴うこの交互三量体のキノイド構造への変化において、ピロールのN-CH3基とチオフェンのβ位の置換基間の立体反発から、通常の安定配座であるtrans体が不利となり、cis-cis体の方が安定化すると考えられるが、実際理論計算と実測のスペクトルとの比較から、このチオフェンのβ位に置換基を導入したラジカルカチオンおよびそのπダイマーが、シス体になるということを確認することに成功した。 一方、チオフェンユニットのβ位にアルキルチオ基をもつベンゾジチオフェンの新規合成経路を開拓し、先のチオフェンのβ位にアルキルチオ基を導入したジチエニルピロールをこのベンゾジチオフェンユニットの両サイドに導入したオリゴマー分子を合成した。さらにそのジカチオン種が、中央のベンゼン環の芳香族性に由来し、高いジラジカル性が発現することを明らかにした。これらの結果から、シス型が安定配座であり、カチオン種でも高い安定性を示すジラジカル種に関する知見が得られ、今後らせん構造を有するオリゴマー分子の構築に向け、基礎的な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、チオフェン環のβ位にメトキシ基を導入したジチエニルピロールのラジカルカチオン種が、室温溶液中で長時間安定に存在できることを明らかにし、さらにシス型のπダイマーを形成することを見出した。また、オリゴチオフェンにベンゾジチオフェンを挿入することにより、ジカチオン種のジラジカル性が高まるという結果も得ており、今後の進展の鍵となる知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた知見を基に、アルコキシ基をチオフェンのβ位に導入したジチエニルピロールおよびベンゾジチオフェンを基本骨格とし、これらを組み合わせることにより、酸化状態でらせん構造が誘起される高分子およびジカチオンジラジカルのπダイマーの積層による超分子構造体の構築を目指す。
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[Journal Article] Multifunctional π-Expanded Macrocyclic Oligothiophene 6-Mers and Related Macrocyclic Oligomers2014
Author(s)
M. Iyoda, K. Tanaka, H. Shimizu, M. Hasegawa, T. Nishinaga, T. Nishiuchi, Y. Kunugi, T. Ishida, H. Otani, H. Sato, K. Inukai, K. Tahara, Y. Tobe
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 136
Pages: 2389-2396
DOI
Peer Reviewed
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