2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化還元感応性を有する新奇開殻分子の創成
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109537
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 修一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (80433291)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化還元 / ニトロニルニトロキシド / 開殻分子 / ジラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
開殻π電子系分子は、スピンを有すること、特異な酸化還元能を有することから、分子磁性体、伝導体、二次電池活物質、スピンコンピューティングの構成成分等、新たな分子エレクトロニクス・スピントロニクス材料として注目を浴びている。本研究では酸化還元感応性を示す機能性開殻π電子系分子システムの開拓と機能解明を目指し、ニトロニルニトロキシドラジカルを基盤とした新奇開殻分子の合成を検討している。昨年度までに、ニトロニルニトロキシドが直接連結した白金、金、銀、銅錯体の合成に成功し、それらの特異な酸化還元挙動を明らかにした。 今年度、パラジウム、金、銀に二つのニトロニルニトロキシドが直接結合したジラジカル錯体の合成に成功した。すべての錯体において、可逆な一電子酸化波が二つ観測されたことから、ニトロニルニトロキシド間には電子的な相互作用があることがわかった。それらの酸化電位は無置換のニトロニルニトロキシドラジカルの酸化電位と比較して、著しく負側にシフトしており、非常に酸化されやすくなっていることがわかった。この結果は、これまでの金属直結型ニトロニルニトロキシドラジカルと同様であった。 パラジウム錯体と金錯体の磁化率の結果から、二つのニトロニルニトロキシド間には比較的強い反強磁性的相互作用が働いていることがわかった。 さらにパラジウムおよび金錯体のジラジカル錯体の一電子酸化体の合成にも成功した。このとき、スピンが片方のニトロニルニトロキシド上に局在化することが、ESRスペクトルおよびX線結晶構造解析の結果から明らかとなった。ニトロニルニトロキシドの一電子酸化体と中性体では、酸素-窒素結合長に若干の差異が存在することから、電子が非局在化する際には活性化エネルギーを必要とするためであると考えられる。 以上の知見は、今後の酸化還元特性を有する新奇開殻分子の設計指針として極めて重要であると考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Recent Advances in Nitronyl Nitroxide Chemistry2014
Author(s)
Okada, K.; Tanimoto, R.; Zhang, X.; Suzuki, S.; Kozaki, M.; Shiomi, D.; Sato, K.; Takui, T.
Organizer
2nd Awaji International Workshop on “Electron Spin Science & Technology: Biological and Materials Science Oriented Applications”
Place of Presentation
淡路夢舞台、兵庫
Year and Date
2014-06-15 – 2014-06-17