2014 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属配位圏でのシリル転位を引き金とする脱カルコゲン触媒反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109538
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中沢 浩 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00172297)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シリル基転位反応 / 結合切断 / 鉄錯体触媒 / 脱水素縮合反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属配位圏内でのシリル基転位が鍵反応となり、通常では切断の困難な結合の切断を触媒的に進行させる反応を行ってきた。今までに有機ニトリルのC-CN結合切断、シアナミドのN-CN結合切断、シアナーとのO-CN結合切断、シリルシアニドのSi-CN結合切断を達成してきた。また、鉄錯体触媒存在下での二級チオアミドとヒドロシランの反応においては、強いC=S結合切断に加えて水素移動反応も同時に進行することを報告している。 本年度は鉄錯体触媒共存下、イミン(RN=CHPh)とヒドロシラン(HSiEt3)の反応を調べ、N-シリルアミン((R)(Et3Si)NCH2Ph)が生成することを見出した。我々は先に二級チオアミドとヒドロシランとの反応でイミンとアミンが生成することを報告したが、その反応機構は明らかではなかった。本研究成果を踏まえると、まずイミンが生成し、それがさらにヒドロシランと反応してN-シリルアミンが生成するという段階的反応で最終的にアミンが生成することが明らかとなった。これらの研究成果はHeteroatom Chemistry, 2014, 25, 607-611に掲載された。 また、鉄錯体触媒を用いて、シランとアルコールからシリルエーテルが生成することも見出し、報告した。シリルエーテルは有用な化合物であり、専らクロロシランとアルコールから合成されている。しかしこの方法では塩が副生成物として生じる。これに対して本研究で見出した反応は脱水素縮合反応であるので、副生成物は水素分子のみであり、クリーンな反応である。また触媒として環境にやさしい鉄錯体を用いている。これらの研究成果はInorg. Chim. Acta, 2015に掲載が決定している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(34 results)