2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子架橋基質感応性配位不飽和貴金属クラスター上での特異的分子変換反応の開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
25109539
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松坂 裕之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50221586)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 2核ルテニウム錯体 / イミド錯体 / アミド錯体 / スタニレン錯体 / スタニリン錯体 / プルンビレン錯体 / σ逆供与 / π逆供与 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミド架橋2核ルテニウム錯体とH2との反応によりイミドジヒドリド錯体が生成すること、及びトルエンの存在下で2核サイト上でN-H還元的脱離が穏和な条件下で選択的に進行し、アミドヒドリドトルエン錯体が得られることを見出した。反応速度の解析から、イミドジヒドリド錯体からアミドヒドリドトルエン錯体への変換の律速段階はN-H還元的脱離であることが判明した。さらに、X線構造解析とDFT計算の結果から、N-H還元的脱離の反応経路として、架橋ヒドリドが直接架橋イミド上に移動する経路と、架橋ヒドリドが末端ヒドリドに異性化してから架橋イミド上に移動する経路とを見出すことができた。これらはルテニウム触媒によるN2の還元反応における金属表面でのNH + H付加反応の分子モデルとして興味深い。 さらに、アミドまたはイミド架橋2核ルテニウムサイト上に一連の架橋14族ユニット(スタニリン、スタニレン、プルンビレン)を導入した新規配位不飽和多核錯体が選択的に構築できることを見出した。2核ルテニウム架橋スタニレン錯体、2核ルテニウム架橋スタニリン錯体、2核ルテニウム架橋プルンビレン錯体を新規に合成し、X線構造解析とDFT計算の結果から、2核ルテニウム架橋プルンビレン錯体のRu-Pb結合はRu-Ru間の結合性π軌道からPbの6p軌道へのσ逆供与と、Ru-Ru間の反結合性δ軌道からPbの6p軌道へのπ逆供与とにより形成されている新しいタイプの結合であることが明らかとした。 加えて、当初は合成が極めて困難であると考えられていた化合物であるルテニウム上の支持配位子としてペンタメチルシクロペンタジエニル基の代わりにシクロペンタジエニル基を有する2核ルテニウムイミドメチレン錯体が25%という低い収率でありながらも再現性よく合成できることを見出し、支持配位子の差が反応性に及ぼす影響に関する基礎的な知見を得た。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)