2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタマテリアルのための動的電流密度汎関数理論の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
25109708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
樋口 雅彦 信州大学, 理学部, 教授 (10292202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタマテリアル / 動的電流密度汎関数理論 / 内部電磁場 / 電流密度 / 電荷密度 / 変分原理 |
Research Abstract |
メタマテリアルの電磁波に対する応答現象を考える上で重要な点は、メタマテリアル内部で生じた電磁場を適切に取り扱うことである。「動的電流密度汎関数理論」の構築(本研究課題の主目的)においてもそのことが問題となる。内部電磁場はミクロなマクスウェル方程式を介して系内部の電流密度と電荷密度に依存している。つまり、内部電磁場は電流密度と電荷密度の汎関数として与えられるべき量である。スタートのハミルトニアンに含まれる内部電磁場は、平均場近似を用いることで上記の汎関数の形にうまくまとめることが可能であることがわかった。これによって、「動的な拡張された制限つき探索理論」の処方箋を適用することが可能となった。すねわち、内部磁場の効果を含めた「動的電流密度汎関数理論」の構築が可能となりそれを実行した。本年度具体的に行ったことを以下に列挙する: 1.「動的電流密度汎関数理論」における存在定理の証明をおこなった。すなわち、時間に依存した電流密度と電荷密度がある時刻の多電子状態を一意的に決める基本変数であることを証明した。 2.時間依存シュレディンガー方程式を導くディラック・フレンケル変分原理が、電流密度と電荷密度による変分原理へ書き換え可能であることを証明した。 3.静的な「拡張された制限つき探索理論」と同様に相互作用のない参照系を導入し、上記1,2で得た基本定理を使って、電流密度と電荷密度を正しく予言する有効一電子方程式を導いた。この方程式は数値計算が可能である。ある時刻の電流密度と電荷密度が、時間依存のシュレディンガー方程式を経ずとも得ることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動的電流密度汎関数理論における基本的な2つの定理の証明を完了した。さらにその定理を使って、電流密度と電荷密度を正しく予言する有効一電子方程式も導いた。 当初研究計画には盛り込まなかった内部電磁場の効果についても、うまく取り込むことに成功した。 以上、初年度の研究計画はおおむね達成したと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に構築した「動的電流密度汎関数理論」をメタマテリアルへ適用する。そのためにまず、交換相関エネルギー汎関数の開発を行う。すでに「静的電流密度汎関数理論」における交換相関エネルギー汎関数の近似形は開発済みであり(Vorticity Expansion Approximation表式)、その知見をもとに開発を行う。 次に具体的な数値計算のためのプログラム開発を行う。本研究では「動的電流密度汎関数理論」で与えられる物質場とミクロなマクスウェル方程式で与えられる電磁場を自己無撞着に決めなくてはならない。それぞれの場を決める個別のプログラムを開発し、それらを結合する自己無撞着のためのプログラムを開発する。 最終段階で、開発したプログラムをメタマテリアルに適用する。メタマテリアルの新奇な物性について微視的な観点から(第一原理的に)議論する。
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Research Products
(13 results)